因島で見た野鳥【146】サンコウチョウ

サンコウチョウとは、さえずりが、「ツキ・ヒ・ホシ(月日星)ホイホイホイ」と聞こえ、「三光鳥」とされている野鳥。メスも同じようにさえずる。特異な風貌で、これもバードウオッチングでは、「一度は見たい」野鳥の一種である。

筆者はオス全身の撮影にはまだ成功していないが、初めに、オス・成鳥の見事な写真を、山本正幸(香川県高松市)著”かがわの生き物たち”(美巧社、2021年2月)

からの転載で、写真①に示す。

写真①サンコウチョウ・オス(撮影:山本正幸)

オスは、黒くて異常に長い尾羽を持ち、頭部と胸・脇が黒くて背は黒褐色、クチバシと目の周り(アイリング)の色はコバルトブルーで、腹は白い。初めて見ても見誤ることはないであろう。筆者は、遠くで飛んでいる姿を見たが、空中を黒い紐が水平に移動しているように見えた。

写真②は、遠くの草木に覆われた暗い水たまりで、水浴びをしていたサンコウチョウ・メスである。

写真②サンコウチョウ・メス

ブレがひどい写真だが、頭部が黒く上面は橙褐色で、クチバシとアイリングがコバルトブルーであることから、サンコウチョウ・メスと確認できる。ほとんど同じ場所で、胴体が葉に隠れた青い目と異常に長い尾羽のオスも撮影した。筆者も含め複数の人が、「…ホイホイホイ」という鳴き声を幾度も確認している。因島では初見であるが、サンコウチョウのオス・メスが生息していることは確かである。繁殖は未確認。

サンコウチョウは、カササギヒタキ科の一種で、中国南部からスマトラ周辺で越冬し、夏鳥として本州以南の低地から山地に渡来し繁殖する。全長は、オスが44.5cm、メスが17.5cm。オスの長い尾羽は、繁殖期だけに見られる飾り羽で、繁殖を終わって越冬地に去るときは、長い尾羽はなくなっている。長い尾羽が渡りに有用だとは思えないが、日本への渡りで、長い尾羽をなびかせていることもあるのであろう。

サンコウチョウの英名は、Japanese Paradise Flycatcher。

オスが美しい飾り羽を持っていて、世界でいちばん美しい鳥と言われている極楽鳥(フウチョウ Bird-in-Paradise)と同じく、名前にParadise(天国)が入っている。姿形がこの世のものとは思えないということか?

Flycatcherは、飛んでいる虫を捕らえる鳥の意味で、キビタキ(Narcissus Flycatcher)やオオルリ(Blue-and-White Flycatcher)などヒタキ科の多くの鳥の英名につけられている。枝に止まって飛んでくる虫を待ち受け、空中で捕らえる習性が共通しているからであろう。

サンコウチョウ・オスの写真転載の許可と写真データの提供について、山本正幸さん(高松市)に、謝意を表します。(7月21日・記)

文 松浦興一 写真 山本正幸・松浦興一

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