ふるさとの史跡をたずねて【281】常夜燈(尾道市因島三庄町浜上)

因島三庄町浜上のバス停の近く、海側に集会所と金比羅宮分祀が合わさった建物がある。その前に見事な常夜燈がある。道路側、すなわち西側の竿の部分に「奉光燈」と書かれているので、こちらが正面になる。竿の部分は右方向に順に「金毘羅大権現」、「八幡宮」、「伊勢皇」と書かれていて、三社が祀られている。

毎日三社にお参りする人もおれば、縁日に合わせてお参りする人もいる。八幡神社の縁日は11日だから、その日に八幡社と書かれている面の前で、「南無八幡大菩薩、オンカギリテンダアカンジエイ ソワカ」と八幡大菩薩の真言を唱える。

金刀比羅宮と伊勢神宮の祭日は多いので、本宮の祭日に合わせて、その前で拝む。

もちろん本宮へお参りできればそれが一番良いのだが、それに代わるものとして、地方に同名の神社が存在する。初めは名前が書かれただけのものが、やがて鳥居や祠や拝殿ができたりする場合もあるし、いつまでたっても石に名前が刻まれただけのものも多い。そしてそれが庶民の信仰の拠り所となる。

だから名前の書かれた木なり、石なり、常夜燈のようなものがあれば、それが神社であるし、そこを神社と呼んでもおかしくはない。
さて、ここの常夜燈の話に戻ると、正面の下から二番目の基壇には右から「文政四 辛巳 仲秋 石工 尾道住 山根屋 源四郎」とある。

作者も制作年代もわかっている貴重な芸術作品である。

写真・文 柏原林造

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