村上水軍の「軍楽」の研究【12】第二章「軍楽」史の考察

細かい合図として使用されたかは不明だが、開戦の合図であったり、兵士を鼓舞するために使用されていたと思われる。また、弩や抛石といった武器と共に国へ献上されたり、贈られたりしていることから、楽器としての扱いはされず、武具としての扱いだったのではないだろうか。


日本書紀の中ではこれらの音具の事を「鼓吹」と呼んでいる。鼓吹とは中国の軍楽であり、戦だけでなく、宮廷の宴席でも奏した。これが日本に伝わったと考えられる。この鼓吹という語が軍楽の呼名か編成楽器の種類をいったものなのか、詳細は不明である。(西角井 1989年 59・60)

『万葉集』(高木他 1984年 108・109)
「(略)斉流 鼓之音者 雷之 声登聞麻 吹響流 小角乃音母[一云、笛乃音波]敵見有 虎可叫吼登(略)」
「(略)斉ふる 鼓の音は 雷の 声と聞くまで 吹き響せる 小角の音も[一に云ふ、笛の音は]、敵見たる 虎か吼ゆると (略)」巻二 一九九番(六七二年 壬申の乱)
【訳】一斉に鳴る鼓の音は、雷の音かと思うほど鳴り響いていて、小角の音も、敵が、虎が吼えたのかと見るほどであった。

これは、高市皇子の仮葬に際して柿本朝臣人麻呂が、皇子の「壬申の乱」(天智天皇の死の翌年の六七二年に起こった、皇位継承をめぐる大規模な内乱)における戦功をたたえるために読んだ挽歌である。この頃にも、鼓と角ブエから成る「軍楽」があったことが解る。

『令義解』(黑坂 一1985年 10-25、44、58-61、192-195、292-295)
「正六位(略)鼓吹正 」「従七位 (略) 鼓吹佑 」「従八位 (略)以前上階 (略)鼓吹大令史(略)以前上階 (略)鼓吹小令史 」『令義解』「官位令」(七一八年)
「鼓吹司 正一人。掌調習。[謂。教習鼓吹戸人也。]鼓吹事。佑一人。大令史一人。小令史一人。吹部卅人。使部十人。直丁一人。鼓吹戸。」『令義解』「職員令」(七一八年)
「大宰府 主神一人。[掌諸祭祠事。]師一人(略)鼓吹。(略)」『令義解』「職員令」(七一八年)

神戸大学国際文化学研究科 山本詩乃

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