因島で見た野鳥【132】梅にウグイス

ウグイスは、本連載【6】で取り上げたが、ウグイスとメジロの区別ができない、ウグイスは想像していたより美しくないなどの感想をもらうので、再度、取り上げる。

ウグイスは、スズメ目ウグイス科の一種で、因島では留鳥。全長14~15.5cmで、オスはメスより大きく、スズメ大であるが尾羽が長い。体はやや緑がかった茶褐色、あるいは、くすんだ黄緑色で、これがウグイス色である。眉班は淡く、体の下面も淡い色である。雌雄同色で羽衣の色合いから雌雄の識別は難しい。

繁殖期以外は、笹薮や低い草木の中で暮らし、「チャッ、チャッ…」と鳴きながら忙しなく動き回り、目にすることは容易ではない。

写真①は、非繁殖期に暗い柑橘畑にいたウグイスで、雌雄は不明である。

写真①非繁殖期のウグイス

繁殖期になると、オスは、縄張り宣言やメスへのアピールのために、高い木の枝などに出て、「法、法華経」と囀り、目にする機会が多くなる。

写真②は、花が終わった梅の木で囀るウグイスで、これはオスである。

写真②たまたま梅の木に来てさえずる繁殖期のウグイス

ウグイスは花の蜜などを食べるメジロやヒヨドリと違って、虫類を主食とするので、開花している梅に好んでウグイスが来るわけではない。「梅に鶯」は、梅の開花やウグイスの囀りで、春の到来を実感することを表す慣用句である。「梅に鶯」の花札に緑色の鳥が描かれたり、鮮やかな緑色をしたうぐいす餅などがあるが、これらはメジロの色合いに似ていて、ウグイス色ではない。

ウグイスは水平に伸びた枝で囀ることが多く、ときどき少し動いて位置を変える。声のする方向に目を向け、動きがあるものを探すと、胸を拡げて鳴き叫ぶ姿を見つけられることがある。

東京・山手線の上野の次は鶯谷。地名「鶯谷」の由来は、「京都から来た皇族の一人が、江戸の鶯がなまっているとして、京都の鶯を放った」事によるとされている。この由来の信ぴょう性はともかく、鳥の囀りは、地域によって異なったり、同じ地域の中でも個体によって異なることがある。

国立科学博物館は、ホームページでウグイスなど6種のスズメ目の鳥のさえずりを、地域別・個体別に収録し、鳥類音声データベースとして公開している。

ここでは、さえずりに違いが生まれる理由は多くあるとしている。例えば、植生が込み入って音が減衰しやすところでは、減衰しにくい低音の成分が多くなるとか、似たようなさえずりをする異種の野鳥がいたり騒音が激しい所では、違いが際立つようなさえずりになる。
音環境が同じ地域内でも、栄養状態が良い個体は、脳や筋肉が発達し、複雑な音で構成された多種類のさえずりが可能となる。メスは、さえずりを聴いてオスの健康状態が分かるのかもしれない。

江戸のウグイスが「なまっている」なら、それは江戸の環境に適応した結果であり、都から来たウグイスの子孫も、やがては、環境に適応して「江戸のさえずり」を囀(さえず)る?(3月18日・記)

文・写真 松浦興一

因島で見た野鳥【6】ウグイス

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