続・井伏鱒二と因島【14】その作品に表現された「因島」

涌田氏は、芙美子の書簡にしては余りにも金銭的なことが表に出すぎているとし、本当に井伏のほうから弐拾円でいいといったのだろうかと疑問が残ると述べ、昭和六年という年が秋の渡仏のことにからんで、特に"金銭"が芙美子にとって切実な問題であったと推定する。この旅の目的は集金であったことは明らかで、講演はその一つの手段であったとする。


ところで28日の講演会は芙美子の側の事情による日程で、井伏は従、29日の墓参は逆に井伏の側の事情による日程で、林芙美子は従であったという旅の実態である。つまり、同じ旅をしていても、日によって男女の主従の関係はぐるりとひっくり返るという旅であったと指摘する。

涌田氏が「コマツさんの慰謝料集金旅行」と「〈私〉の下宿代集金」の2面からまとめた表(下)を掲載したい。

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上記の表で歓迎会の行われた場所と宿舎が尾行をまくための宿の移動に変形して用いられ、翌日の仏事のための因の島行きは、小説では加茂の鶴屋幽蔵宅の祖父の葬儀に変形されている。旅の途中から二人をつけまわす箕屋官次は、途中から加わった横山美智子の変形だとする。

(石田博彦)

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