続・井伏鱒二と因島【12】その作品に表現された「因島」

(2)「集金旅行」へ変形~涌田佑氏説~

涌田佑氏によれば、因島への土井家の弔問旅行前後の出来事が井伏の代表作である「集金旅行」に変形されたとしている。その説を『井伏鱒二の世界小説の構造と成立』P105~138(集英社昭和58年)に従って紹介したい。「集金旅行」は、東京のある下宿屋の主人が急死して、小学生の男の子だけが残される。主人公は同情して、下宿代未払いのまま帰郷している人々の間を回って、それを集金してやるという内容である。


講演会は4月28日の午後6時から、尾道商業会議所を会場として実施された。主催者は当時の尾道の各新聞の通信部や、林芙美子の母校の尾道高女、同土堂小学校の教師といった文化団体の有志だったらしい。次の林芙美子の書簡の受取人である尾道高女の恩師今井篤三郎氏が中心となって奔走し、まとめたと推測される。

林芙美子が恩師今井篤三郎に宛てた手紙には、次のように書かれている。

お礼の方は、私はいりませんが、なるべく連れの方に、出来るはんゐで恥かしくも、差しあげたいのですからどうぞよろしくお願ひ申し上げます。皆の人より一足さきに私が参ります。

お手紙、大変ありがとうございました。井伏氏が、因の島へお墓まいりにお出になりますし、私も尾道へ一度帰へつてみたい意向でゐし、ほんの、まぐれあたりな気もちから、ついには、尾道高女出身の私を助けるつもりで、学校で講演して下さる事だつたのですが、思想的に云々どうも、お役人と云うものは、肉親の愛情はかげてゐるらしい。子供が親のところでしゃべりたいのは当り前ぢゃないでせうかね。文士を非常しきな人間とも思つてゐるのでせうか、私は、私のおさない日々、話してみたいきりです。会場いまどこでも結構です。やれたら、骨を折つて戴きたく思ひます。新聞社、それも朝日新聞の支局でもあったら、お話して下さればうれしいです。

ところで本日十一日に、岩手県盛岡で、啄木会の講演会にまねかれております。青森高女の講堂であるのですが、その方に行く約束をしましたので、帰へったらぢきに行きます。(次号へ続く)

fumikopass
渡仏のためのパスポート用の林芙美子の写真。(1931年頃)

(石田博彦)

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