警察官僚亀井静香を政治家に転向させた「浅間山荘」事件の背景【4】

革命派左派のアジトがあった榛名山(はるなさん)

崖下の通りから「お母さんを撃てますか」という装甲車からの悲痛な呼びかけに発砲した連合赤軍の狂気の籠城。この事件の発端は、群馬県内の山岳アジト(秘密本部・隠れ家)が次々と警察側に察知され、連合赤軍メンバーの逃避行から始まった。

当時、警察庁警備局公安第一課長補佐として浅間山荘事件の作戦に加わった亀井静香自民党志帥会会長・元政調会長は多くを語ろうとしない。さる5月21日、因島市民会館で開かれた自民党研修会に招かれた俳優菅原文太さんから『新幹線の中で読んで初めて知ったのだが、文芸春秋6月号によると亀井さんは「あさま山荘事件」の隊長さんだったんだね』と、問いかけたときも「おはずかしい次第で、あの事件は警察のとった作戦が結果的には失敗であった。」と、口数は少ない。

目の前で、内田尚孝警視庁第二機動隊長と特科車両隊の高見繁光氏の両警察官が撃ち殺されたほか警察側は多くの重軽傷者を出した。殉職者を出した以上、作戦は失敗で、私(亀井氏)の捜索が万全ならば「あさま山荘事件」は起らなかったという思いがあるからである―と、苦労談を照れ隠す。

連合赤軍山岳アジト

そもそも連合赤軍というのはどのような集団であったのだろうか。一口に言ってみれば。武装闘争によって日米安保体制打倒を夢見た青年(学生)グループで、日本を社会主義化するため、当時、京浜安保共闘と呼ばれていた革命派左派と赤軍派が一緒になって結成した新党。赤軍派は南アルプス、革命派左派は群馬県の榛名山にそれぞれアジトを作っていた。

やがて、軍事訓練をしたのが縁となって一緒に戦おうという機運が高まった。南アルプスの赤軍派リーダー森恒夫の主張で革命派左派の榛名山をアジトとして森が思想や意識の総括を求めたのがエスカレートしてリンチへと発展。革命達成のために死を恐れず銃を使いこなせる革命戦士を作り上げることが急務だとした。

この想像に絶する過酷な総括に耐え切れず次々と脱走者が出た。秘密アジトがバレるので迦葉山、妙義山麓へと転々と移動したが、2人の逮捕者が出たので厳冬の裏妙義越えを余儀なくされた。当初、長野県の佐久市を目指していたのだが道に迷って地図にもなかった浅間山荘のある新興ニュータウンに入り込んだ。浅間山荘に5人が乱入したのは全く偶然だったことになる。

山荘内で逮捕された5人以外にも妙義湖近くで2人。裏妙義で2人、軽井沢駅で4人の男女あわせて8人がそれまでに逮捕され、取調べによって山岳アジトで仲間12人を殺害したというショッキングなリンチ殺人事件が明るみに出ることになった

庚午一生 (元産経新聞記者)

[ PR ]瀬戸田で唯一の天然温泉

しまなみ海道生口島サイクリングロード沿いに建つ、島で唯一の天然温泉を持つゲストハウスです。

サンセットビーチの砂浜に面し、1,000坪の広大な敷地には、四季折々の花が咲き誇ります。部屋や温泉からは瀬戸内海に浮かぶ『ひょうたん島』と、美しい夕日を楽しめます。

素敵な旅のお手伝いができる日を楽しみにお待ちしています。

PRIVATE HOSTEL SETODA TARUMI ONSEN
瀬戸田垂水温泉
広島県尾道市瀬戸田町垂水58-1
☎ 0845-27-3137
チェックイン 16:00 〜 20:00
チェックアウト ~9:00