「社会を明るくする運動」入選作文【14】高齢者と私たち
尾道地区保護司会（小川曉徳会長）が行った第70回「社会を明るくする運動」作文・標語コンテストで表彰された作文を掲載する。
高齢者と私たち（中学校の部 尾道市入選作品）
向島中学校2年 植上侑菜さん
日本は今、少子化や核家族化、高齢化が進んでいて、一人暮らしの高齢者が増加しています。
医療の発達により、平均寿命もどんどん長くなっていて、女性は87歳、男性は81歳となっていて、今は4人に1人は65歳以上の高齢者だそうです。
元気で長生きできれば一番ですが、最近はよく高齢者ドライバーによる車の事故のニュースを目にします。
若い頃から何十年も運転をしているので、運転には自信を持っていて、自分は大丈夫と思っていると思いますが、事故を起こしてから後悔しても遅いと思います。
車がないと生活に不便だとか、買い物に行けなくて困るとかいろいろな事情もあると思いますが、地域や、近所の人、家族や親戚で助け合って、みんなが安心して生活できるようになればいいと思います。
私の祖父は73歳で、今は福山で一人暮らしをしていますが、運転して仕事に行っています。
今はとても元気ですが、私は高齢者の車の事故のニュースを見るたびに、祖父もそろそろ免許の返納をした方がいいのではないかと心配になります。
母も同じ事を考えていたみたいで、「そろそろ免許を返納してほしいけど、そうすると仕事にも行けないし、私も近くにいないから買い物にも連れて行ってあげれんよね。」と言っていました。
祖母は二人いますが、一人は向島のケアハウスに入所しています。祖父が亡くなってから病気になり、毎日歩いて買い物に行く程元気だったのにどんどん何も出来なくなり、とうとうケアハウスに入所することになりました。
私や兄が小さい頃、毎日おんぶをしてもらい、いつも一緒に遊んでもらっていた祖父や祖母がどんどん歳をとっていって、できない事が増えていく姿をみるのは、とてもつらく感じます。
もう一人の祖母も向島で一人暮らしをしています。今はとても元気なので、原付に乗って買い物にも行っているけど、今年72歳なので病気にならないか、事故に遭わないか、母も私もとても心配しています。
また、祖母は毎月必ず墓参りに行っていました。車に乗れないので、歩いて花を買いに行き、汗だくになりながら墓掃除をして、御先祖様をとても大切にしていました。
小さい頃私は、「何でそんなに墓参りに行くの。」と聞いた事があります。
すると、「おばあちゃんはいつも、御先祖様にみんなが元気に過ごせるように守ってくださいねとお願いしてるんだよ。」と言っていました。
そして、私が今ここにいるのは、父と母のそれぞれの両親、そのまた両親というふうに御先祖様達のおかげだという事を教えてくれました。
祖父や祖母のように、母もいつかは高齢者になり、私や兄も高齢者になる時が来ます。若い人も高齢者も助け合いながら、そして感謝し合いながら生きていく事がとても大切なんだと思いました。
しかし、世の中では高齢者に関わる痛ましい事件もたくさん起こっています。
自分が家族や社会で何の役にも立たないと悲観して自殺してしまうお年寄り、祖父母から注意された事に怒り、祖父母を殺してしまう若者、オレオレ詐欺や振り込め詐欺に遭って高額なお金をだまし取られてしまう高齢者。
なぜそのような事件が起こってしまうのでしょうか。
それは、若者が高齢者としっかり向き合っていないからではないかと思います。高齢者の事をきちんと理解し、もっと温かい目で見て優しい態度で接しながら、お互い尊重し合う事が大切なのではないかと思います。高齢者のもつすばらしい知恵や優しさ、数々の人生経験等学ぶ事はたくさんあると思います。
私達もいつか高齢者に必ずなります。今、高齢者を大切にできない人は、自分が高齢者になった時、全て自分に返ってくると思います。
これからは私達若者がしっかり支えていけるよう、頼られる存在になりたいと思います。そのために、今できる事を一つ一つ頑張りたいと思います。
第70回「社会を明るくする運動」作文・標語コンテスト 中学生の部表彰者の皆さん
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