「社会を明るくする運動」入選作文【11】一人じゃ生きられない

尾道地区保護司会(小川曉徳会長)が行った第70回「社会を明るくする運動」作文・標語コンテストで表彰された作文を掲載する。

一人じゃ生きられない(中学校の部 尾道地区保護司会会長賞)

栗原中学校3年 木曽さくらさん

皆さんは、この世から消えてしまいたい、と思ったことはありますか。私は何度かあります。けれど、その度に踏みとどまれたからこそ、今の私があります。私は、何もかも嫌になって投げ出してしまいそうな時、「踏みとどまることができる人」が増えればいいなと思います。また「踏みだしてしまう人」が少なくなってほしいと思います。

今、自殺や不登校などの問題があります。私は、その原因には外部の問題と本人の問題の二つが関わっていると思います。

まず、外部の問題は誹謗中傷やいじめなどです。これらのことは、対象となった人の心を深くえぐってしまいます。

私は、悪口は相手のことをよく知らないから言えるのだと思います。相手の苦しみや痛み、また良いところを知れば、悪口なんて言えないはずです。よく知りもせず、無責任なことを言うのは許されない行為です。

それと、私は、悪口を言う人のことも心配になります。悪口は言葉にして口に出したり書いたりすると、その考えが定着してしまいます。すると、次に悪口の相手を見たときに、より悪い人に見えるため、悪いところを探してしまいます。そして、悪いところが見つかるとまた悪口を言う…というふうに、無限ループになります。一度無限ループに陥ると簡単には抜け出せないし、悪口は言っている本人も傷つけます。本人は楽しいつもりでも、少しずつ心に傷がたまっていきます。笑う門には福来たる、とよく言いますが、悪口は不幸を呼び寄せてしまいます。

人間なので、全く言わないということはできませんが、言わない努力をしなければいけないと思います。

次に本人の問題です。私は、自殺をしたり不登校になってしまう人は、自分に厳しい人が多いと思います。何でもできなければいけないと思っているから、少しでもできないことがあると、自分が嫌になってしまうのではないでしょうか。自分に厳しいことは決して悪いことではありません。ただ、少しやりすぎなのだと思います。よく、不登校の人に向かって、「頑張りが足りないだけだ」と言う人がいます。でも、私は逆に頑張りすぎているのだと思います。

私は、バスケットボール部だったのですが、よく先生に、「人の仕事をするな。自分の役割をしろ。」と言われました。バスケの戦術として言われたアドバイスだけど、それは社会にも共通すると思います。人の仕事もして、自分の役割をするというのを続けると、いつか限界が来てしまいます。全てをやる、できる必要はありません。人に任せることも大切です。もちろん全て人任せにしてはいけません。時には助け合ったり、苦手でもやらないといけない時もあります。けれど、頑張りすぎている人には全てをやる必要はないということを頭に入れておいてほしいです。その上で、苦手を克服しないといけないときは、根気よく、少しずつ頑張れば大丈夫だと思います。自分に厳しいことは、ポジティブな人が使えば、きっと大きな力になります。

この二つの原因を解決するために、自分が何ができるのか三つ考えました。

一つ目は、人の良いところをたくさん見つけることです。人の悪いところではなく、人の良いところに視点を変えると悪口を言わなくなると思います。さらに、それを本人に伝えると、相手も自分も幸せになれます。

二つ目は、否定せずにまずは受け入れることです。自分に厳しい人は、自分に自信がないから、自分の意見をすぐに否定されると、もっと自信がなくなってしまいます。だから、私は人の話を聞くときは、まずは受け入れることを意識しようと思います。

三つ目は、あきらめずに辛抱強く人と関わっていくことです。人の心は繊細で、心の扉は固いです。すぐに仲良くなろうとすると、より扉を固く閉めてしまうばかりか、繊細な心を傷つけてしまいます。だから、すぐに仲良くなれなくてもあきらめずに関わり続け、相手が扉を開けてくれるのを辛抱強く待つことが大切だと思います。

私は人のことを無理にあせって助けることが本当の優しさだとは思いません。私は悩んだ時、家族や友達に聞いてもらうとすごく楽になります。だから、私は一生懸命話を聞いてくれて、自分で気付かせてくれることが本当の優しさだと思います。私は、そういう人になりたいです。

私は、この作文を書くことを通して人は一人では生きていけないんだなと改めて思いました。だから、自殺や不登校の人を減らすには、たくさんの人の力が必要だと思います。

私は、そのたくさんの人の一人として、苦しい思いをしている人を少しでも減らし、笑顔の人を増やしたいと思います。

第70回「社会を明るくする運動」作文・標語コンテスト 中学生の部表彰者の皆さん

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