ふるさとの史跡をたずねて【219】久保田権四郎寄付碑(因島重井町一本松)

久保田権四郎寄付碑(因島重井町一本松)

因島重井町一本松の重井川沿いにも久保田権四郎さんの寄付碑がある。正面には

「一金参千八百円 特別寄附者 久保田権四郎氏」

と書かれている。また、左側に

「内訳 金二千八百円 自三反田 至広道 道路改修費 金一千円 字崩岩 道路改修費」

、右側には

「昭和五年五月建之 重井村」

と記されていて、およそ90年前に設置されたことがわかる。因島大橋がかかり、しなみ海道ができてから、この辺の道路事情は一変したので、それ以前のことだと思っていただきたい。

内訳に書かれている2つの工事区間は白滝山南麓を通る因島大浜町と因島重井町を結ぶ道路である。現在、因島北インターを出ると因島中庄町因島重井町境界付近から因島大浜町の第三久保田橋へ通じるしなみ海道の側道がある。これが重井大浜往還の新道である。かつて因北消防分署があった辺りに塞の神がある。ここから奥へ入る道が旧道である。町界をなす峠は切り通しになっていた。その辺りが崩岩であり、この旧道を改修するのに1,000円が寄付された。それ以前から利用されていたのが古道で、自転車も通れない山道であった。だから、少し大回りになるがより低いところにあった畑道を広くしたのであった。しかし、自転車や車が通れるようようになってもその先が昔のままであったならば意味がないので、因島中庄町因島重井町の境界から一本松までの道路も拡張したというわけである。これが三反田より広道に至る道路改修費2,800円の意味である。この道路は現在と同じルートで、今ではカーブと坂が無くなっている。

従って、一本松から因島中庄町、因島大浜町に至る道路の改修が権四郎さんの寄付でなされたというわけである。

古道は因島大浜町から白滝山への参道と一部が重なっていた。しかしその部分は公団のフェンス沿いに北に移って残っていたが、樹木で覆われ今は通れない。旧道はしまなみ海道によって消滅しており、その痕跡を探すことは難しい。

写真・文 柏原林造

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