ふるさとの史跡をたずねて【218】久保田権四郎寄付碑(因島大浜町相川)

久保田権四郎寄付碑(因島大浜町相川)

因島水軍まつりが行われるしまなみビーチは、現在のような人工海浜になる以前も長い砂浜があった。そして因島大橋がかかる前は向島の津部田との間にフェリー航路があった。

そのしまなみビーチの入り口の横断歩道のところに久保田権四郎さんの寄付碑がある。「一金千円 新設道路 寄附者 久保田権四郎」と書かれている。右側には「大正十四年竣工」、左側には「大濱村建之」の文字が見える。

因島中庄町から因島大浜町へ向かう海岸道路脇の花壇に、この海岸道路を作った時の寄付碑があり、現在のしまなみ海道の側道に該当する旧道工事の寄付も記録されていることは以前にも書いた。

それとここのしまなみビーチの入り口の寄付碑を加えると、因島大浜町から因島中庄町、因島重井町へ通じる3つのルートが全て久保田権四郎さんの寄付で作られたとことがわかる。

それ以前にはどうなっていたのだろうか。古い山道の名残が少し残っている。一つは島四国の歩き遍路道で、大楠山の西側の峠を通ってネズミ屋新開に出るルート。峠からまっすぐ唐樋へ降りることも可能だ。次は更に北側の峠を越えるルートで、因島大浜町の村上家先祖碑の隣を登ってからネズミ屋新開へ降りる。さらに北側の白滝山南尾根を越えて因島重井町川口へ出るルート。これは重井村尋常小学校に高等科ができてから大浜村尋常小学校に高等科ができるまで大浜村の子供たちが通った道だと言われている。さらに因島大浜町から白滝フラワーラインの三叉路のところに出るルートがあるので、こちらも利用されたのかもしれない。いずれも険しい峠道だから途中からは歩行のみが可能だったような山道である。

これらの峠道はいずれも耕して山頂に至ると言われたように、畑とその道であったので今では想像もできないほど明るく開けていたと考えた方がよさそうである。しかし現在はそれらの畑が山に変わり、道も潅木で覆われたりイノシシに荒らされたりして、多くが通行不可能になり、やがて忘れられていく運命にある。

写真・文 柏原林造

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