ふるさとの史跡をたずねて【200】中庄八幡神社(因島中庄町熊が原)

中庄八幡神社(因島中庄町熊が原)

中庄八幡神社は熊箇原八幡神社とも呼ばれる。『因島市史』には「同神社にはいろいろと箔つけの材料が残っているようであるが、これを鵜のみにするのは早計である」(875頁)と記してある。それを承知で書くのだが、天明2年の覚えによると、887年(仁和3年)8月当国同郡八幡邑より勧請、とある。

これより古くからあった神社といえば、因島が文献上最初に出てくる878年(元慶2年)「授備後国無位隠嶋神従五位下」(日本三代実録)の隠嶋神社を思い浮かべても、おそらく間違いはなかろう。しかし、当国同郡八幡邑がどこのことか分からない限り隠嶋神社を特定することはできない。

大浜村剛女岩に砲台(お台場)が設置された頃、農兵の練兵が中庄八幡宮で行われた。なぜ、大浜でなく中庄かという疑問は、彼らの出身地が大浜村に限らなかったことを示しているのだろう。それではなぜ中庄八幡神社なのであろうか。

もしこれが明治時代以降の話であるならば、武運長久を祈って…というようなことが想像されるのであるが、まだ明治になるには少し早い。

それともそういう伝統は江戸時代からあったものなのであろうか。それよりも、農民を兵士として利用することが、江戸時代を通してなかったことであるから、農民に武運長久を祈るというようなことは思いつかないのではなかろうか。

あるいは単なる広さの問題で、訓練をするような広場は神社しかなかったということであろうか。

さらにまた、軍人というべき武士がいるのに、俄かに農民を兵士として訓練するのもおかしな話である。

明治時代以降のような光景を江戸時代に見ているのだから、こちらの想像力も鈍ってしまうのも仕方がないのかもしれない。

(写真・文 柏原林造)

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