【卒業論文】ミュージシャンと故郷の繋がり「ポルノグラフィティと因島」(15)

これまで述べたように、ポルノグラフィティは故郷因島に対する思い入れが強く、それにまつわる活動をしばしば行っている。では、因島の人々はそれに対してどう思っているのだろうか。

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ホテルみやじま江嶋昭吉さん(インタビュー当時)

まず、ポルノグラフィティが、自分達が因島出身だという事を何度も口に出して、忘れないでいてくれる事が嬉しいという声が多かった。小さな島から全国的に有名なミュージシャンが出た事で、田舎出身でも頑張れば夢は叶うと、島の人々に希望を与えてくれたとの事だ。特に、因島無料ライブは子供たちの地元愛向上に大きく貢献してくれた、と評判が良かった。NHK紅白歌合戦に初出場した事がきっかけで既に島内のポルノグラフィティの知名度は高まっていたが、お年寄りなど音楽にあまり詳しくない人々への知名度は、因島無料ライブの時に特に上がったそうだ。

一方、「もっと地元での活動もしてほしい」と不満を感じる人もいるようだ。地元とポルノグラフィティとの間に事務所が挟まっている事で、地元の人たちの声を届ける事が中々できないのである。また、ポルノグラフィティも自身の音楽活動で多忙なため、因島無料ライブのような直接的な活動の実現が難しい。その為、もの足りなさを感じる人も少なくないようだ。

こういった意見に関して、ホテルみやじまの江嶋さんからお話を伺う事ができた。江嶋さんの話を以下にまとめる。

「ポルノグラフィティに因島での活動を実行してもらう為には、地元の人達の連携がもっと必要だと思う。事務所などの壁はあるが、地元の意見をまとめて団体で頼めば、もしかしたら聞き入れてもらえるかもしれない。ただ、高齢化などが原因で、そういった事を企画する力が因島には欠けている。それを補う為に、若い人の発想が欲しい。若い世代が企画した事を上の世代が経済的にバックアップするという形を取れば、うまくいくのではないだろうか。」

江嶋さんの考えのような、団体で思いをまとめてボルノグラフィティに伝えるという方法が、成功したという事例は確かにある。因島無料ライブはポルノグラフィティの二人から発案されたものだったが、因南中応援歌は、因南中を支援する会という団体が新藤さんの親戚を通じて依頼し、実現したものであった。

確かに、住民の方がポルノグラフィティにどのような事を望んでいるのか、各々の考えをまとめる事は効果的かもしれない。ポルノグラフィティのメンバーは因島を忘れずにいるものの、遠く離れた東京で主に活動しているので、地元の声や様子を知りにくいだろう。

ゆえに、住民の期待通りに事が運ばないにしても、互いの気持ちを確かめるという意味では良い方法なのではないだろうか。

江嶋さんは、次のような事もおっしゃっていた。

「閉鎖的になりがちな島の暮らしに外から刺激を与えてくれたり、島の若者に希望を与えたりと、ポルプグラフィティは様々な事を因島にしてくれている。そんな存在だからこそ、積極的に活用して困島の活性に繋げていくべきだ。そのためにも、住民は期待するだけでなく実行に移していかなければ」

ミュージシャンとしてポルノグラフィティ自身の活動もする中で、因島に対しての活動を実行する事は、容易ではないだろう。しかし、因島の住民とうまく連携する事ができれば今後の因島の発展に繋げる事ができるかもしれない。今後、ポルノグラフィティと因島の人々が互いの気持ちを確認し合える事を期待したい。

名古屋市立大学人文社会学部国際文化学科
長神有紗(阪井ゼミ卒論文集より)

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