75歳老人のフーテン 東北の旅【4】

郡山駅前

9月7日(土)②

白河駅から郡山(こおりやま)駅にゆく。その郡山は私の知る50余年前の郡山ではなかった。明るくあか抜けた、しかも活気にあふれた大都市になっていた。そのうえ駅ビル・駅前広場・駅の中に特設ステージが設けられ、素人のグループが歌いまくっている。華やいではいるが騒々しいことこの上ない。イベントが開催されているのだ。私の知る昔の郡山は東北の出稼ぎ労働者をここで食い止める最後の砦といった感じの町であった。当時すでに工場もたくさんあったが、広大な土地を持ち内陸型の工業の大きな発展の可能性を秘めていた。町自体は暗かったが重くエネルギッシュで無限の可能性が感じられ、工場労働者の町であった。50余年の歳月の経過と産業構造の変遷をしみじみ感じた。

どうも現在の郡山は青春懐古の旅の私には気に入らない町になり果てていた。郡山を散策して宿をとるつもりでいたがやめた。東京の発展も今回の郡山の繁栄も今の私の気持ちには素直に受け入れることが出来なかった。

そこで予定を変更して、磐越東線に乗っていわき市で宿をとることにした。この路線の車窓の風景は延々と寂れた農村が続くのだが、私の前の座席に座るおばさんが地震のせいで新築の家が目立つでしようと教えてくれた。気がつかなかった。今後はそういう着目点をもって被災地を観察していかねばならない。

(田中伸幸・因島田熊町)

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