因島で見た野鳥【55】シジュウカラ

スズメ目シジュウカラ科 全長14.5cmのスズメ大の森に住む鳥であるが、民家の庭でもよく見かける小鳥で、因島では繁殖もしている留鳥である。巣箱などにもよく営巣するが、人工物の隙間などにも巣を作る。筆者は、ガードレールのポールの中で営巣する番いを見たことがある。嘴は短く、頭は黒く、頬は白くて目立つ。黒いネクタイをしているように喉から白い腹にかけて黒い太い線がある。この線が太いオスほど、メスにモテルらしい。メスはこの線が細い。体の上面は青灰色で、上背に黄緑色部があり、黒い翼を閉じているときは、1本の白い横線が目立つ。尾は黒い。

囀りは「ツツピーッ ツピー」、地鳴きは「チ・チジュクジュク」と書き表されることが多いが、鳴き声は多様で、それぞれ異なった意味を仲間に伝えているらしい。鈴木俊貴の観察によると、巣の雛がカラスに襲われそうになった時は、シジュウカラの親鳥は、「チカチカ」と甲高く鳴き、蛇に襲われそうになった時は、「ジャージャー」と鳴く。親鳥の声を聞いた雛は、カラスの時は嘴が届かないように巣の中で体を低くし、蛇の時は、巣立ちが近い雛は巣箱から一斉に外に飛び出し、難を逃れる。さらに、鈴木氏らによると、警戒を呼びかける鳴き声「ピーッピ」(A)と仲間を集めるための鳴き声「ヂヂヂヂ」(B)を組み合わせ、ABの順序で鳴くと「周囲を警戒しながら集まれ」の意味で、BAの鳴き方では意味をなさないとのことである。これは、人間の言語に文法があることに似ている。これらのことは、科学雑誌ネイチャーコミュニケーションズ(2016年3月8日)に掲載されている。

いろいろの鳥が「ねぐら」で喧しく鳴き交わしているが、実は、「聞き捨てならぬ」ことを言い合っているのかもしれないと想像したのは、筆者が凡夫なる故か?

平安時代から「しじゅうからめ」と呼ばれていた。「から」は小鳥の意味で、「め」は鳥を表す接尾語の一つ、地鳴きを「しじゅう」と聞きなしたとの説がある。

(文・写真 松浦興一)

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