因島で見た野鳥【50】カワセミ

ブッポウソウ目カワセミ科の一種で、水辺に棲息する全長17㎝の鳥で、日本のカワセミ科では最小である。長くて黒い嘴(メスは下面が赤い)を持ち、頭と背は緑色からコバルトブルーに輝いて見え、腹は赤茶色。姿や色が美しいので、「清流の宝石」などといい、人気のある野鳥である。

因島にカワセミがいることに驚く人がいるが、年中、水辺に普通にいる。水面に張り出した枝に止まり、水中の魚を捕食する。近づくと「チーッ」と鳴いて水面を直線的に飛んで逃げる。カワセミは同じ場所に来るので、その場所を見ているとカワセミに出会う確率が高くなる。

古事記にカワセミを”翠鳥(そにとり)”と記してあるそうで、”そび”とも呼ばれた。これが”しょび”、”しょうびん”になり、カワセミ科の一種の”アカショウビン”などの名前に引き継がれ、一方で、”せび”、”せみ”と転じて、カワセミ、ヤマセミなどの名前に引き継がれたようである。(菅原浩・柿澤亮三”図説鳥名の由来辞典”)

室町時代には、漢字で「翡翠」と書き、「ひすい」とも呼ばれた。宝石の「翡翠」は、カワセミの色からの転用である。カワセミの羽の色が緑や青に見えるのは、色素による色ではなく、典型的な構造色で、見る角度によって緑色から青色に変わる(本シリーズ25に簡単な説明をした)。カワセミの綺麗な羽をハンマーで粉砕したところ茶色になったという話である。

(文・写真 松浦興一)

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