因南中学から因南学園の経過 祝福される学校であるために 2月5日三庄町民討論会

現在、尾道市因島とりわけ因南地域(土生町・三庄町・田熊町)は、因南学園(仮称)の設置をめぐって揺れている。

昨年12月定例市議会で実施設計予算が決まったことから、新年度予算に因南学園建設予算案が提出・議決されるとして、三庄小学校と田熊小学校の存続を求める請願署名運動がそれぞれの町で始まり、来月5日、三庄町で町民討論会が開催される。

解体作業がすすむ旧因島高校校舎


合併後の急提案

旧因島市教委は4年間もの歳月をかけて因南中学(仮称)構想をまとめた。因南地域の3中学校を統合して因南中学校を開設し、3小学校は地域に残すというものであった。

建設予定地を旧因島高校土生校舎跡地とし、土生中校舎を土生小が、田熊中校舎を田熊小が活用し、三庄小は改修して現校舎を使用する。基本設計もできあがった。

しかしこの提案は、市議会でもめにもめて議決に至らなかった。最大の問題は億にのぼる工事予算であった。深まる財政危機のなかで議会の審議は混迷をつづけた。新設開校ではなく土生中校舎を活用した3中学校統合案も浮上した。結局議決されず因南中学校構想はそのまま、合併により因島市教委から尾道市教委に引き継がれた。

ところが昨年1月10日の尾道市編入合併直後、尾道市教委は、3小学校と土生幼稚園の閉校・閉園と統合をふくむ、因南学園(仮称)案を示し、1月30日、因島市PTA連合会に提案した。その間わずか20日間の出来事であった。当初は反対の意思を示した市PTA連合会幹部は態度を豹変させ、4月21日に「市教委にゆだねる」とした。

5月12日には5人の市教委員全員が現地調査を実施し、さらに因島地域出身の8市会議員に説明を行い、大枠の同意を取り付けた。

つづいて16日、因南地区の区長会の協力を得て、土生町の芸予文化情報センターに約200人を集め、3町の合同住民説明会を開いた。市教委は、これで地元住民の同意が得られたとして5月29日、21年度開校方針を決定した。

ここまでは市教委のシナリオ通りであったが、やがて市教委は最大の障壁に遭遇することになる。

住民は蚊帳の外

市教委はここで大きな判断ミスを犯した。PTA幹部を取り込めば保護者の賛成を取り付けたことになると思いこんだ。さらに区長連合会を住民代表と勘ちがいし、大多数の住民を蚊帳の外に置いた。

活動の実態を知っている者は、PTA連合会幹部を保護者の代表と思ってはいない。かれらが「市教委に委ねる」と態度を決めた直後、「利権が動いた」と噂が広まった。さらに小学校存続署名の広まりのなかで、その構造がさらに浮かび上がると見られている。PTA役員とは別のところで小中の保護者たちが積極的に「小学校存続署名」に協力しているという。

さらに区長会連合会幹部に対する住民の不信は極限に達している。5月16日の芸予文化情報センターの3町合同説明会に住民を動員していながら、十分な発言も質問もさせることなく「住民支持」の演出に協力した。

さらに住民説明会はもう終わったとして各町ごとの説明会をしないばかりか、住民に説明することを怠った。公民館に教育委員会の資料を置くだけではその責任を果たしたことにならない。

市教委の権限と主権在民

住民が存続を願う三庄小学校

昨年11月、尾道市の副市長2人が突然、因島地域全ての小中学校の視察に訪れた。そのきっかけは、市教委が約40億円にもおよぶと見られている因南学園(仮称)の予算説明にあたって、旧因島市教委がまとめ上げた因南中構想と基本設計書の存在を秘密にしていたことが発覚したことにあると言われている。

市教委は、市の教育をつかさどる独立行政機関であり、因南学園設置方針などを決定するのは市教委の権限である。しかし予算のない計画など「夢物語」にすぎない。その予算を提案するのは尾道市、つまり亀田良一市長であり、議決するのは議会である。

また市教委の因南学園の工事がすでに始まっており、工事主体があたかも市教委であるかのような文書の流布は住民を欺くものである。現在進んでいる旧因島高校土生校舎の解体は因南中学校工事のための工事であり、その予算を使っている。

市教委が誇示する因南学園基本設計も実は、因南中学校工事予算を「使わせてもらっている」という有様である。市教委が、どの社会科教科書にも説明されているレベルに反する言動をつづけることは、教育をつかさどる機関として恥ずべきであろう。

こうした秘密主義に加担したPTA、区長会、そして因島地域出身の市会議員の説明責任は重大である。8人の議員は市教委の説明をうけ因南学園のなりゆきを知っていたにもかかわらず、ほとんどの議員が住民への説明をサボタージュした。

議員の説明責任

因南中学校建設案について真剣な議論をしないまま闇に葬り去ったことにつづく愚挙であろう。たしかに賛成、反対は政治的見識であろう。しかし進行する事実を有権者に報せるのは等しく議員の最低限の職務であろう。

因南学園の手法すべてが尾道市のやり方だと大半の因島地域の住民は見始めている。亀田良一市長の呼びかける「心の一体化」がむなしく響く。

(青木忠)

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