因島で見た野鳥【45】キアシシギ

チドリ目シギ科の一種で、全長25.5cmの旅鳥である。頭から背は灰褐色で、腹は白く、胸から脇にかけて白地に灰褐色の波形の横斑がある。嘴の先は黒く基部は褐色がかっている。脚は黄色。飛翔時にも、イソシギ のような翼帯は出ない。

冬季には東南アジアや南半球で越冬し、夏季にはシベリヤ東北部で繁殖し、1年で、南半球から北半球へ赤道を越えて往復する。鳥類アトラスによるキアシシギ回収地図を示すが、黒丸が放鳥地で、直線の先が回収地点である。春にオーストラリアで放鳥された個体が日本で回収され、さらに、繁殖地のシベリア東北部に渡っている。秋には、繁殖地を出発し日本に立ち寄ったと思われる個体が、オーストラリアに渡っていることが分かる。

因島に立ち寄るのも、南半球からシベリヤ周辺の繁殖地に向かう春と、繁殖地から南半球に渡る秋である。筆者は、春に、海岸や河床に数羽の群れを観測したが、秋には、まだ、観測していない。数日間の滞在なので、たまたま見ていないだけかもしれない。野鳥撮影を始めて間もない頃、重井川で名前を知らない鳥を撮影し、それが南半球からシベリヤ方面に渡る途中のキアシシギと分かり、当たり前のことだが、因島が地球の一部なのだと実感し、感動を覚えた。

(文・写真 松浦興一)

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