因島にて…Ⅱ 地域から見えるもの【10】津波を考える(3)

 私は東日本大震災発生以来、津波研究の第一人者、今村文彦・東北大大学院災害制御研究センター教授(津波工学)の動向を追っていた。どうしてこのような大津波が起きたのか、知りたかったからだ。


 「専門家が見て 感じた現実」―長い揺れ「連動型」直感(4月10日、毎日新聞)、「ニュース争論」―大震災の教訓と教育(6月20日、毎日新聞)、「シミュレーション―東海・西日本を三連動地震・津波が襲う」(文藝春秋七月号)などを見た。「文藝春秋」は八ページにわたるもので、教授の最新の見解が理解できた。その文章にそって津波について考えてみたい。
 東海、東南海、南海という、南海トラフを震源とする巨大地震を強く意識して、巨大地震による津波を研究してきた教授にとっても、東日本大震災と大津波は予想を超えたものだったようだ。

―今まで、南海トラフを念頭において研究してきた私は、自分の足元である東北地方で巨大地震、巨大津波を体験しました。直後は、私の今までの取り組みは、完全に否定されたと思いました。巨大津波による被害を少しでも減らしたいと思って研究し、自治体のハザードマップ作りなどに協力したりといった取り組みも進めてきましたが、結果として防ぐことができず、これだけの犠牲者が出てしまった。
 時間の経過とともに、少しでも低減できるところはあったのではないかと思い直して、今一生懸命、被害の状況を整理しているところです。東日本大震災の具体的な被害を参考にして、予想される南海トラフでの巨大地震の被害を少しでも小さくすること。これが、被災地東北で地震を研究する私の今後の使命だと考えています。

 こうして今村教授は、東日本大震災の被害の具体的な分析にふまえて、「東海・西日本を三連動地震・津波が襲う」ことのシミュレーションを行なっている。
 南海トラフを震源とする巨大地震について次のように説明している。

―駿河湾から九州にかけて太平洋沿岸には、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈みこむ海底の溝が存在し、南海トラフと呼ばれています。ここでは、繰り返し地震および津波が発生しており、海溝型の地震が高い確率で起きると予測されています。(中略)
 南海トラフを震源とする海溝型地震は、東から震源域によって、東海地震、東南海地震、南海地震と区別されています。過去の研究から、この三地震は大体百年前後、長くて150年の周期で起きるとされています。

 政府の地震研究推進本部は今年1月、海溝型地震の長期予報を出した。

―今後30年以内に、マグニチュード8程度の地震が起きる確立を出したものですが、東海地震は87%、東南海地震70%、南海地震は60%と予測されています。

 教授は、単独地震でも大きな被害が予想されるが、さらに警戒すべきは、より被害が拡大する三連動地震であると言う。

―順番で言えば、高い確率で起きるとされる次の東海地震などの単独地震が引き金となり、隣り合う震源が連動して巨大化する三連動地震になる可能性があるのです。

 ではどのような被害が想定されているのか。教授も参加している、中央防災会議の「東南海、南海地震等に関する専門委員会」は2003年9月、その想定を発表した。その内容を見てみよう。
(青木忠)

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