ふるさとの史跡をたずねて【98】誤伝・篠塚伊賀守墓(上島町魚島亀居八幡神社)

誤伝・篠塚伊賀守墓(上島町魚島亀居八幡神社)

魚島に上陸して、右手に進むと山道がある。ここを登れば篠塚公園に向かう。沖島城跡の一角である。さらに進んで亀居八幡神社へ行った。そこに、「篠塚さん」と呼ばれ、篠塚伊賀守の墓と伝わる宝筐印塔があった。だが、隣にある説明板にはそれは間違いであると書いてあった。すなわち、この宝筐印塔は古くから篠塚伊賀守の墓と言い伝えられ、みだりに触ると祟りや罰があり、正面に静止して黙祷するなどの強い信仰心を集めていたものであるが、鎌倉時代のもので篠塚伊賀守の墓と見做すは誤りである、と。

話は振り出しに戻った。しかし、島内唯一のお寺はかつて篠塚寺と呼ばれていたし、中心集落も「篠塚」であり、「篠塚漁港」に加えて、漁業組合の名称も「篠塚漁業組合」と呼ぶとか、因島の法楽踊りと共通する「テンテコ踊り」は伊賀守が軍事訓練をした名残だというように、伊賀守伝承に富んでいる。

こういう所であるから、島内外の伊賀守に関する伝承も多く収集されている。興味深かったのは、因島に先ず来て、外浦の堂崎山の戦いの時、三庄・美可崎城である岬城で七ヶ月戦い、負けて魚島へ逃げてきた。因島での落胤が因島村上氏の時代の千守城主大目付篠塚十郎左衛門貞忠であるというものだった。

また、伊賀守の末裔という方が各地におられ、近くでは因島の篠塚氏、魚島の大林氏が挙げられていた。

(写真・文 柏原林造)

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