ふるさとの史跡をたずねて【90】小鏡城跡(因島鏡浦町)

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小鏡城跡(因島鏡浦町)

因島四国八十八ケ所札所巡りは大浜埼灯台近くの1番霊山寺から始まり、大浜、中庄、外浦、鏡浦と因島を時計回りに巡る。鏡浦町では、外浦町から峠道の平田道路を越えて、峠を下り町内に入ったところに25番津照寺があり、さらに東へ進んでそこから水軍スカイラインへ出る。椋浦方面へ向かって坂道を登ると鏡浦港を望む最初の岬があり、そこに26番金剛頂寺がある。

松岡進氏の「中部瀬戸内文化財地図」には、その金剛頂寺のある岬に小鏡城と記されている。しかし、それ以上のことはわからない。近くの堂崎山城跡、一ノ城跡との関連も考えられるが、北側の厳島神社周辺の地形を見れば、備後灘に面した良港を控えていたことがわかる。鏡浦漁港の名が示すように、かつては打瀬船(うたせぶね)の停泊地でもあった。

さて、島四国の金剛頂寺の前へ立つと、三庄・地蔵鼻の美可崎城跡と立地が似ているのに驚く。景色もよく、また上から見る波打際も美しい。また、美可崎城跡と向島・余崎城跡とのほぼ中間に位置することも興味深い。

港へ行くのに、水軍スカイラインを回るのは不便なので、近道はないのかと探した。小路はなかったが、崖を下りると厳島神社の横に出たので、かつてはそのような通路があった可能性はあり、この岬の城と港は一体のものだったと想像できる。

(写真・文 柏原林造)