ふるさとの史跡をたずねて【83】高松城跡 (上島町生名島)

高松城跡 (上島町生名島)

弓削島、佐島、生名島は現在は通行料無料の橋で結ばれているので、それぞれの島が大きくなったようなものである。その二つの橋を地図で眺めていると、かつてアフリカ大陸と南アメリカ大陸がくっついていたという大陸移動説を思い出した。

二つの橋の下を通ってきた船は因島を前にして右と左に分かれる。すなわち、佐島の北端は海の三叉路となっている。因島を入れると歪んだ十字路である。実に複雑な地形をしている。そのせいか、土生港から出る魚島行きの高速艇は下弓削港に寄って佐島と弓削島の間にかかる弓削大橋の下を通ってから東に向かう。

佐島から生名島へ行くには生名橋を渡る。

生名橋

生名橋

渡ったところが高松で、南側の丘が高松城跡、北側にある113メートルの小山が妙見山城跡である。いずれも海に近く見張所として使われたものだろう。特に高松城跡は、生名橋への接続道路が通っており、元の地形を想像することはできないが、昭和61年の調査記録図を見ると東西に四つの廓があったようであるから、かなりの規模の砦であったことがわかる。

高松城跡

高松城跡

生名橋のかかる海を隔てて佐島八幡神社がある。佐島八幡神社の地形は岩城八幡神社や田島八幡神社の地形と驚くほど似ているから、ここにも砦があっても不思議ではない。

高松城跡の役割が佐島生名島間の監視になるだろうから、佐島弓削島間を通過する船の監視場所として妙見山城跡があったと考えることができる。

(写真・文 柏原林造)

生口橋生名島側

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