ふるさとの史跡をたずねて【79】葛原しげる生家(福山市神辺町八尋)

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葛原しげる生家(福山市神辺町八尋)

福山へ行ったついでに、ぎんぎんぎらぎら夕日が沈むという有名な歌の作詞者である童謡詩人葛原(くずはら)しげる氏の生家を訪ねた。

土生高等女学校、土生小学校、三庄小学校、田熊小学校、田熊中学校、因北中学校、そして確認はできなかったがおそらく大浜中学校も、葛原しげる氏が校歌を作詞した。ということは、因島の小中学校に通った人で、この人の名前を知らない人の方が少ないのではないかと思われる。また、その多さに驚かされるのは私だけではあるまい。

約四千の童謡の他にも驚くほど多数の校歌・社歌などを作詞されており、その全貌は未だつかめていないと言われている。

生家は岡山県井原市に近い福山市の東北端にある。「葛原勾当(こうとう)葛原しげる生家」という表示が出ていた。

勾当氏は琴・三味線の名手で、しげる氏の祖父。三歳で失明したにもかかわらず、自ら考案した木製印版を使って日記を書き続けた。それを、しげる氏が『葛原勾当日記』として出版した。その文体に魅かれた太宰治が「盲人独笑」という小説を書いた。

しげる氏のもう一つの業績に箏曲家の宮城道雄氏を世に出したというのがあったと書けば、祖父から継承した才能が詞作品として結実しているということがわかるだろう。

生家の門の前には「夕日」の童謡碑があった。西に傾いた太陽を見ながらボタンを押すと、早春の静かな田園地帯に元気のよい唄声が流れた。

(写真・文 柏原林造)

 

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