内海造船とニチゾウIMCが統合 得意分野生かし競争力を強化 造船の島復活に住民の期待膨らむ

日立造船グループの内海造船(本社、豊田郡瀬戸田町、資本金11億円、山田弘幸社長)とニチゾウIMC(因島市、資本金 4億9000万円、嶋末幸雄社長)が来年 1月 1日を目標に統合することで合意、23日初会合を開き具体的な協議に入った。

オイルショックに続く造船業界の構造的不況の波をかぶり日立造船因島工場から新造船部門を撤退したのは昭和62年だった。因島市の経済を支えていた造船城下町の灯が消え「島が沈む」とまでマスコミは書きたてた。以来、造船復活の夢は途絶えていたが、このところ中国景気の追い風を受けて戦後でもまれにみる「造船景気」の対応に嬉しい悲鳴をあげている。

内海造船とニチゾウの手持ち工事量も、現在、過去最大の約 3年分確保している。その一方で、この景気がいつまで続くのかという不安材料もあり各社とも将来を見据えた対応が求められていた。

こうした背景もあって新造船の好調な受注に伴い労働力の確保や大型船台を必要とする内海造船と、中型船建造に進出しようというニチゾウの思惑が一致した。

親会社の日立造船の出資比率は内海造船53%。ニチゾウ 100%で17年間中断していた新造船事業を平成14年 5月、日立造船向島マリン(株)と合併により再開した。内海造船が受注したタンカー(4,200トン)をニチゾウが建造して7月上旬に進水。人事交流や鋼材共同購入をするなど協力関係にあり活況の波に乗って再編の動きは出ていた。

この統合に先立ち常石造船の韓国大手サムスン重工業との包括的な提携合意が発表されたが、瀬戸内海の主要産業である造船業の再編が活発化し始めている。

地元政財界・住民は歓迎

内海・IMCの合併や持ち株会社の設立など統合形態をはじめ、本社所在地や社名など詳細については親会社の日立造船(株)=本社大阪、重藤殻直社長=も参加して3社間による統合推進委員会で検討される。

いずれにしても両社の合併統合は地元政財界をはじめ住民も歓迎。両社長は16日、因島市の村上和弘市長と瀬戸田町の柴田大三郎町長を訪ね、統合合意のあいさつ。村上市長は「造船が活気づけば市も元気がとりもどせる」と喜色満面。柴田町長は「統合は世の流れ。頑張ってほしい」と平然。

因島商工会議所の村上祐司副会頭は「因島の工業生産額の 4割を占める造船関連業界の波及効果も大きいので国際競争力をつけてほしい」と評価。

その一方で、二つの島の結びつきを考え、自治体の合併問題に顔を曇らす住民のなげきの声が聞かれた。

内海造船

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昭和19年(1949)に瀬戸田造船として設立。42年(1967)日立造船グループに入り47年(1972)に田熊造船を吸収合併して内海造船を設立。昭和49年(1974)大証 2部、平成12年(2000)東証 2部上場。従業員子会社を含め 558人。瀬戸田と田熊の 2工場で今年 3月期の連結売上高は 204億1000万円、当期利益は 1億6700万円。

ニチゾウアイエムシー

昭和61年(1986)ニチゾー建工として設立。平成10年(1998)ニチゾウ因島製作所に社名変更。同14年(2002)日立造船の子会社再編に伴い、日立造船向島マリンと合併、現社名に変更。向島事業所を閉鎖、製造拠点を因島工場内に移し17年ぶりに新造船復活。従業員は 365人。今年 3月期の売上高84億4200万円。

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