ふるさとの史跡をたずねて【62】幸崎城跡(因島大浜町才崎)

幸崎城跡(因島大浜町才崎)

齋島(いむしま)神社があるところが、幸崎城跡である。村上丹後守吉房の居城である。齋島神社の北のさらに高いところが中心だったと言われているが、そこには芋神様と呼ばれている神社があり、天照大神と月読之大神の兄弟神を祀ってある。なぜ芋神様になるのか、しばらくわからなかった。

その答えは大楠山にあった。大楠山頂上に文政九年に保食の神が祀られた。それが大正2年にこの地に移され、大正7年に食饒神社として造営されたということである。

天照大神が月夜見尊へ保食神(うけもちのかみ)に会えと命じる穀物起源神話が『日本書紀』神代上五段十一にあるから、ここに天照月読の兄弟神を祀っているのであろう。そして、瀬戸内各地にある芋地蔵信仰が大浜では保食神信仰となったものだと、私は思う。なお、本殿裏手の石作りの小祠には食饒の文字が読める。

さて、芋神様のあるここを中心に北側と齋島神社の境内も入れるとかなり大きな砦があったことになる。標高36メートルで、今はやや内陸部にあるが、かつては海がもっと近くまで来ていただろうから、場所的にも良いところだとわかる。弓削瀬戸を見張る美可崎と布刈瀬戸を見張る幸崎で、因島の東側が守られたということであろうか。

(写真・文 柏原林造)

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