ふるさとの史跡をたずねて【50】百梵山城跡(因島三庄町百梵)

百梵山城跡(因島三庄町百梵)

変電所の横を東へ走ると切り通しの最頂部あたりが土生と三庄の境になる。そこを通過するとき右側を見てみよう。と言っても深い切り通しだから見えるのはセメントの壁ばかりである。しかし注意して見れば上の道に上がる階段がある。それを上がって、南に進路を取ると、左の山が百梵山(ひゃくぼんざん)である。頂上が百梵山城跡で、船奉行片山数馬の居城だったと伝わる。

登山道らしきものはなく、三度試みてやっと頂上に辿り着いた。最初は南の畑から。かなり高い位置だからすぐだと思ったが途中で蔓草に遮られて諦めた。次は西に回ってみかん畑を登ったが畑の先には行けなかった。最後は百梵池近くから山に入って雑木の間を登った。頂上は思ったより広かった。南に下がって石を積んでいるところから草を刈りながら尾根を進むと最初に諦めたところの反対側に出た。やはり最初の見当は正しかったのだ。ただ、通る人がいなけければ、再び蔓草や茨に覆われ道はわからなくなるだろう。

近くには日野山砦や小丸城跡があり、往時は賑わっていたのではないかと思う。だが、肝心の船はどちらに置いていたのだろうか。箱崎浦も三庄湾も今よりはもっと奥まで海だったのだが、それでも陸上を移動させるには峠が高過ぎる。両方に置いて二手に分けるのは合理的ではないから、土生側に置いて村上本家や稲井家と行動をともにする場合が多かったのではないかと想像するだけである。

(写真・文 柏原林造)

左側の山が「百梵山城跡」、右側前から百梵池、日野山砦、小丸城跡

 

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