頭頸部腫瘍

岡山大学耳鼻咽喉・頭頸部外科　津村宗近

本年4月より因島総合病院耳鼻咽喉科に毎週金曜日に派遣されております津村宗近と申します。まずは私自身について少し紹介させていただきます。私は島根大学医学部を卒業後、出身地である香川労災病院で初期臨床研修を行い、耳鼻咽喉科で3年弱勤務をしたのちに、現在岡山大学病院で勤務しております。大学では頭頸部腫瘍を中心に日々の診療を行っており、様々な経験を積ませていただき充実した毎日を過ごしています。

先述した「頭頸部腫瘍」という言葉は聞きなれない人も多いのではないでしょうか。平たく言うと顔面から頚にかけてできる腫瘍で、特に頭頸部がんは全てのがんの5%程度と比較的まれな疾患であります。しかしながら頭頸部領域には呼吸・食事（咀嚼、嚥下）など、人間が生きる上で必要な機能、加えて発声、味覚、聴覚など社会生活を送る上で重要な機能が集中しており、この部分が障害されると直接QOL（生活の質）に影響を与えてしまいます。治療に際しては病気の根治は大事なことですが、治療後のQOL低下をいかに抑えるかが重要であり、これらのバランスを崩さないよう治療方針を検討する必要があります。現在、手術技術・手術器具の進歩により、病変の進行度によっては機能面、加えて整容面でも低侵襲な治療が可能となってきており、岡山大学病院では治療効果を下げることなく、できるだけ低侵襲な治療を行えるよう日々症例の検討を行っております。

残念ながら因島総合病院では手術を行うことはできませんが、できる限り早期に病気を発見し、スムーズに治療に繋げられるよう心掛けて外来診療を行いますので、気軽に受診いただければ幸いです。

• 因島総合病院では7月29日（土）病院祭りを企画しています。疾病のお話や骨密度・血管年齢等、皆様の健康へのお手伝いが出来れば幸いです。ご相談等ありましたら地域連携室までお気楽にお尋ねください。
• 100周年に向けて因島総合病院の昔の写真や関連するものを探しております。お持ちの方はご連絡をお願いいたします。電話0845-22-2552。

津村宗近先生と耳鼻咽喉科スタッフ

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