ふるさとの史跡をたずねて【46】板碑(因島三庄町明徳寺)

現在明徳寺のあるところが第五家老南彦四郎泰統の館跡だと言われている。だから三庄の土居城跡というのは現在の明徳寺とその周辺のことである。この定説を信じるならば、明徳寺は南氏が去ってから開基されたか、あるいは別の地にあったものがそれ以降に現在地に移ったということになる。

それではいつ南氏の館でなくなったのかというと、天正16年(1588)の海賊禁止令の時から、慶長5年(1600)の村上氏の因島退去までの間ということになる。

次に、明徳寺が別の場所から移ったとすると、それは南氏の菩提寺であったと言われる円妙寺のあった場所と考えるのが妥当である。

さて、明徳寺の境内には板碑と呼ばれている古い墓碑がある。この墓碑の意味するところは、上記歴史と符合しているように私には思われる。例えば、もし移ってきたものなら、それは円妙寺や明徳寺があった場所からだろうし、その時期は明徳寺が移った時か、開基した頃である、というように。

この墓碑は山形の頂部、中央の身部からできており種子(しゅじ)と呼ばれる梵字があり、板碑(板石塔婆)の一種と呼んでよいと思うが、頂部と身部の間に二段の切込みがないので、板碑の一般論を当てて解釈するのは危険である。また、この板碑と南池近くの崖下にあって、かつて南氏の墓だと言われていた墓碑と錯綜した記述が見られるので注意が必要である。

(写真・文 柏原林造)

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