因島にて… つかみかけた確信【30】

原田真二さんのこと(2)

私のもとに5月下旬、自主出版本「因島空襲」を注文する、一通のメールが届いた。神奈川県の女性からであった。それには、注文メールにしてはめずらしく、文章が添えられていた。

―うちの息子の小学校では、国語の教科書に載っている「ちいちゃんのかげおくり」(あまんきみこ作)の授業の一環で、地域の方に戦争体験の話をしていただいています。先日も、その戦争体験を話してくださっている方との、戦争と平和についてのコラボ授業(参加者は、大人と子ども)をPTAサークル主催で行ないました。戦争の恐ろしさ、おろかさを伝え、過去に戦争で亡くなった方、ご苦労をされた方があっての「今」ということを次の世代につなげていきたいです。忘れてはいけない、決して起してはいけない、「核兵器」のこと。色々な本で学んでつなげたいです。

私は、戦争をしらない昭和39年うまれです。このたび原田真二さんが、因島でライブをすると聞きました。行きたいけど遠すぎます。行けないのならせめて因島の歴史を学ぼうと本を購入することにしました。

すぐにお電話でお礼を述べ、私が6月4日に横須賀市で行なわれる追悼式に出席するので、お会いしませんかと誘った。その方は、追悼式後の懇親会の会場である観音崎京急ホテルのロビーにやってきてくれた。とても明るいふるまいで、「今すぐそこで皇后陛下に会ったわ、すごく幸せ」と私に告げた。追悼式に出席した両陛下が、懇親会の会場になったホテルを昼食のために訪れていたのだ。

場所を新横浜駅に移して、原田真二さんについて夢中になって語り合った。予約した新幹線の出発時間を忘れてしまい、一便遅れてしまった。

その方は、デビュー以来のファンだと言い、尊敬していると語った。私は、その理由をたずねた。「原田さんのすごいのはね、彼の歌や話を聞いたら、その場のみんなが、ファンになってしまうということです」との返事がかえってきた。

それから3日後、東京都にお住まいの原田真二さんファンの方から、因島の歴史を知りたいので「因島空襲」の本を注文したいというメールが届いた。さらに読後の感想を寄せていただいた。そのなかに「青木さんが原田真二さんに声をお掛けになったお気持ちがわかりました」と、記してあった。

私の予感はあたった。初印象は、「いい男だ、ナイスガイだ」だった。新曲の取材とプローモーションDVD撮影のために因島を訪れた彼に、いっそう引き付けられた。そのようにありつづけられるのは、こうしたファンに支えられているからこそ、と得心した。

原田さんの相次ぐ訪問は、その度ごとに島の雰囲気を変えていった。第1回目は、5月5日に入り一泊し、翌朝から精力的に島内各地を回った。因島運動公園、フラワーセンターを見学し、コンサート会場のある重井町のたたずまいをつかんだ。つづいて田熊町に向かい、小学校とはっさく発祥の地を訪ねた。最後は、因島公園から造船所やしまなみの風景を望んだ。

原田さんと迎えた田熊小四年生はともに楽しそうだった。彼は、ふたつの小学校に校歌を提供している。「下柚木(しもゆぎ)の丘はいつだって」と「緑が丘~夢と希望の仲間たち~」の二曲で、アルバムにも収められている。

児童たちは、原田さんのことは知らない。しかし、そんなことはどうでもよかったみたいで、たちどころに打ち解けあった。歓迎の合唱が迎え、みんなで給食のカレーライスを食べた。その味はきっと思い出に残るだろう。原田さんと島の住民の心温まる交流は、児童との思いがけない出会いで始まったのだ。

(青木忠)

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