ふるさとの史跡をたずねて【42】天神山城跡(因島田熊町天満)

天神山城跡(因島田熊町天満)

因島図書館の駐車場から山伏山の方を見ると、標高18メートルの丘の上に見事な巨樹の雄姿が見える。その丘が天満宮のある天神山城跡である。

この木は菅原道眞が延喜元年(901)九州左遷の途次停泊し、その記念に植えられたと伝わるクスノキである。樹高20メートル、胸高周囲7メートルの大木を見るだけでも感動するが、それ以上に重要なことは、ここが因島宮地氏の出発の地であるということだ。

応永30年(1423)頃尾道吉和の鳴滝山城から落ちのびてきた宮地大炊助明光がここに身を寄せた。因島村上氏の時代には第四家老として国内通商を中心に活躍し、江戸時代には各地の庄屋を勤めた。そして多くの寺院の創建に係わり、また多数の人材を輩出した因島宮地氏の祖とも言うべき人である。その宮地大炊助明光が、現在の中庄公民館の裏に位置する大江城へ移るまで居城したのが天神山城であった。

宮地氏を村上氏に紹介し援助したのが岡野氏だったと言うから、村上、岡野、宮地という因島に多い苗字ベストスリーの三家が、この頃に会したというのも興味深いことである。

(写真・文 柏原林造)

 

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