因島にて… つかみかけた確信【28】

東京大空襲との出会い
 2010年6月3日は私にとって記念すべき日となるだろう。この日私は、東京大空襲の犠牲者・遺族とお会いすることになった。私の20数年の東京生活は、因島空襲と同様、東京大空襲にも無関心の日々であった。


 東京大空襲訴訟原告団と犠牲者遺族会の事務所は、墨田区押上にあった。地下鉄押上駅のB3出口を出ると徒歩で10分くらいの距離である。東京タワーをその高さで抜いた、と盛り上がる「スカイツリー」を見上げつつ、急いだ。
 事務所で、星野弘会長と榎本喜久治副会長と2時間ばかり懇談ができた。私が現状を尋ねると、全国空襲被害者協議会・首都圏準備会への案内の文章を示してくれた。
 ―皆様の日日のご活躍に敬意を申しあげます。本年3月10日衆議院第1議員会館にて開かれた「国会議員と全国空襲被害者の懇談会」が大成功のうちに終了し、マスコミでも各紙が大きく取り上げました。当日東京、大阪、名古屋の空襲被害者と、原爆被害者の被団協の4者が全国の空襲被害者を差別なく救済するための立法化の運動を協力して取り組む合意が成立し、現在各地方からのアンケートのご返事をまとめ、全国規模の組織を作り、政府国会に主権者国民として強い要請を出していく準備を進めています。
 事務局は、全国150団体に「運動への参加のよびかけ」を発送し、すでに千葉、広島、神奈川、佐世保市など十五の団体からの賛同の連絡を受けているという。そして、空襲被害者全国集会(仮称)が8月14日、東京で開催されようとしている。
 さらに私は、事実が歴然としているにもかかわらず、何故、東京大空襲の被害の調査が遅れているのか、と質問した。それに対して二種類の興味ある資料の提供を受けた。
 ひとつは、住民の戦災者慰霊塔建立の要望への東京都の方針に関する文章である。
官渉発四二四号
昭和二十二年二月二十四日
東京都長官官房渉外部長 磯村 英一
官房各課長、支所長、二市長  殿
各局長、各区長、地方事務所長 殿
戦災者慰霊塔建立について
 左記のような計画で戦災者慰霊塔を建立する具体案があり、これに関するアメリカ占領軍軍政部の考えについて、当渉外部に問い合わせがあったので占領軍軍政部に其の考えを尋ねたところ、左のように考えを示し、協力するように求められた。従って今後は左に示した方針を徹底的に守るようにしなさい。
現在司令部の指導方針
 一、日本国民に戦争を忘れさせたいのである。
 二、戦災者慰霊塔を見て再び戦争を思い出させることがあってはならない。だから慰霊塔の建立は許可しない。
 もうひとつは、東京大空襲の最高責任者であるアメリカ空軍大将カーチス・イー・ルメイを勲一等に叙し旭日大綬章を贈与した詔書のコピーである。やはりそうか、と納得した。これではどの地域の空襲被害の調査も進むわけがないのだ。
 犠牲者の遺族が書き込む「東京空襲犠牲者報告書」を手渡された。伴侶の青木悦子が東京大空襲で犠牲になった家族出身だからである。この事実は、熱海市にいる彼女の姉のみが知っている。その報告書にある「犠牲者氏名欄」に家内は、どのように聞き取り、どこまで具体的に、義母とふたりの義姉たちのことを記入できるだろうか。

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