尾道地区保護司会「社会を明るくする運動」入選作文【11】「本当の幸せとは」

尾道地区保護司会(小川曉徳会長)が行った第66回「社会を明るくする運動」作文・標語コンテストで表彰された作文を掲載する。

「本当の幸せとは」

美木中学校3年 髙垣菜々美さん

私は、早朝に、ある悲惨なニュースを見ました。神奈川県相模原市内で起きた、障害者施設殺傷事件です。なぜこのような事件が起こったのでしょうか。

私は、一番の原因は、加害者の自分勝手すぎる考えからだと思います。「死んだ方がいい」なんていう考え方はどこからくるのでしょう。たしかに、人は障害者の人たちに限らず、日々つらいことやしんどいことに直面して、「死にたい」と考えているかもしれません。でも、なぜこんな死に方をしなければならないのか。誰が「私は生きたくありません。殺してください。」なんて言ったのか。障害者の人たちの想いをはき違えたのが、今回の事件につながったのではないかと思います。

そして、私には疑問があります。それは、この事件を未然に防ぐことができなかったのかということです。ニュースで、この事件についてたくさんの情報が流れていました。その中で目にとまったのが、犯行予告と捉えることもできる、犯人からの手紙です。その内容はとても恐ろしかったです。しかも犯行についてとても細かく書かれていて、逮捕後のことまで書かれていました。なぜこの手紙がきて、何も対応せずこの日をまちつづけたのでしょうか。「どうせまた、くだらないいたずらだ。」と甘く捉えたのが原因の一つではないでしょうか。そんな人たちも、充分今回の事件の加害者だと思います。もう少し、真面目に向き合い、対応策を練ることは不可能だったのかなと思います。そして、メディアには堂々と公表することができなくても、障害者施設と連携をとるなど、選択肢は残っていたと思います。今回のこの対応は、世の中に大きな課題を投げかけたと思います。

私はこの事件を通して、本当に障害者は幸せなのかなと思ってしまいます。あるツイッターには、犯人に対して「よくやった」などと書かれていたそうです。そんな世の中が、私には信じられません。障害者も生きづらく、その家族の方たちもしんどくなると思います。私の父の兄も障害者です。今は施設で過ごしています。私も小さい頃は、障害を持った叔父は怖いなと思っていました。しかし、叔父はいつも笑顔で、言葉を上手く伝えることができなくても、明るく生活していたのを覚えています。今そのことを思うと、障害者が幸せかどうかなんて、私たちが決めたらいけないんだなと思います。自分なりに一生縣命生きている、私たちと同じ人間です。

だからこそ、今回の事件は許せません。加害者が幸せではないと思っていた彼らも、大好きな家族と過ごす日々に、幸せを感じ、生きたいと思っていたにちがいありません。その人たちの未来を閉ざした犯人は、心の無い最低の人間です。こんな人こそ、私たちと同じ人間とは思えません。そして、犯人の行動に共感した人も許せません。

今回の事件で、私は相手を思いやる心が大切だと思いました。しかし、ただ想像するだけでは何も変わりません。まずは、これからする行動は自分にとってうれしいことなのかを考えます。そして次に、相手にとってもうれしいことなのかを考えます。そして最後に行動します。この思いやりが広がれば、幸せが広がっていくと思います。世の中のひとりひとりがいきいきと輝くように、そして、本当の幸せの笑顔がずっと広がっていきますように。

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