尾道地区保護司会「社会を明るくする運動」入選作文【10】「小さな優しさ 皆の笑顔」
尾道地区保護司会(小川曉徳会長)が行った第66回「社会を明るくする運動」作文・標語コンテストで表彰された作文を掲載する。
「小さな優しさ 皆の笑顔」
瀬戸田中学校1年 中原乙華さん
とつ然、「社会を明るくするには何が必要か。」と聞かれたら何と言いますか。その答えは人それぞれだと思います。でも私はまず笑顔が必要だと思っています。笑顔が増えるにはどうしたら良いのか。バス通学を通して何ができるかなんて、あのおばあさんに会うまで考えたこともありませんでした。
土曜日に午前の部活を終えた私は、いつも通りバスにゆられています。
すると、「あの青い屋根の前で停めて下さい。」という声が後の方から聞こえました。声のする方をふり返ると、おばあさんが必死にそう、呼びかけていました。運転中の運転手さんには聞こえていない様子でした。一般のお客さんもたくさん乗っていたから、誰かが行動するかと思ったけど勇気をふりしぼって、運転手さんにこう言いました。
「あの。後にいる人があそこの青い屋根の家の前で停めてもらいたいと言っているんですけど…。」
「はい、分かりました。青い屋根ね。」
バスが停まったとき、おばあさんはとても安心したような笑顔になりました。家の前に帰ってきたことがうれしかったようです。しかし、その笑顔も一瞬の間だけ。バスが停まり、おばあさんは後の席から、たくさんの重そうなかばんや、買い物袋、そしてつえを持って一生縣命運転手さんのところまで行き、お金を払って階段を降りようとしていました。私達にとっては「たった三段」の階段です。ですが足が悪くて、つえまで持っているおばあさんにとっての三段の階段は苦痛で、仕方なかったでしょう。おばあさんが荷物を一段ずつ下していました。
「おばあさんが困っている。助けてあげないと。でもどうやってあそこまで行こうか。運転手さんや周りのお客さんにどう思われるかな。」
考えているとき、おばあさんは必死に、顔を真っ赤にしながら、荷物を下そうとしていました。このとき私は、周りの人も、自分も何をしているんだ。と思い、おばあさんのところへかけ寄って行きました。
「おばあさん。手伝うよ。」
そう、自然に言葉が出た自分に驚きながら、全ての荷物をバスから降ろしてあげました。すると、おばあさんは満面の笑顔で、「ありがとう。いろいろと迷惑かけるね。」と言ってくれました。
私も、「いえ、大丈夫です。」と言い、にっこりと笑ってみせました。バスに再び私が乗ったとき、おばあさんはとても優しい笑顔でありがとうと言いながら、バスが曲がるまでずっと手をふってくれていました。私も見えなくなるまで、ずっと手をふり続けました。
皆を笑顔にできる、誰かに対する優しさやおもいやり。それは、日常生活のどこで生まれるか分かりません。私の場合は、バスという公共の乗り物でした。足が悪い人、体が不自由な人のために階段のない、ゆるやかな坂の出入口があるバス、乗り物を増やしていく。それは、とても大切で重要なことで、それも一つの優しさや思いやりだと思います。ですが、それ以前に、一人一人がすることができる優しさや思いやりが欠けているのではないでしょうか。誰かのために自分ができることを行う。それができれば、その人はその人から見える社会を明るくするための第一歩をふみ出したと言えると思うし、この島が、この日本全体が明るくなるための第一歩につながるのではないかと私は考えます。
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