平和の祈り 日本画の巨匠 平山郁夫さん逝く 記帳台設け9日まで入館無料

尾道市瀬戸田町出身で文化勲章受章者の日本画の重鎮、平山郁夫さんが2日午後0時38分、脳梗塞のため東京・聖路加国際病院で死去。79歳だった。自宅は神奈川県鎌倉市二階堂120-14、喪主は妻美智子さんで4日港区の教会で密葬をすませ後日、日本美術院が院葬を行う。瀬戸田町の平山郁夫美術館では訃報をテレビニュースで知った郁夫さんの親戚、知人やマスコミの対応であわただしかったが館内のロビーに記帳台を設け9日まで入館無料とした。

平山郁夫さん 記帳台

平山さんといえば東京芸術大学長に2回、10年間就任、日本美術院理事長。仏教伝来やシルクロードをテーマに世界を旅して平和を祈り国連教育科学文化機関(ユネスコ)親善大使として世界文化遺産保護に尽力。「文化財赤十字」の提唱をするなど画業以外の分野でも活躍。平山郁夫美術館開館10周年記念の記者会見で「日本は戦争で周辺のアジアに迷惑をかけた。これからは人道的な面と文化財保護の国際貢献しなければいけない」と説得するような口調で語る平山さんのくったくない表情が昨日のように思い浮ぶ。

故郷の瀬戸田町から平山郁夫美術館を建設したいという計画の申し出があったが初めは固辞されてた。しかし、しまなみ海道の文化観光拠点にぜひとも―と懇願され実現した。
町おこしのお役に立てればと熟慮の上で「私が瀬戸田町から何故、画家として出発したのか絵を通して知って頂くことも色々な意味でお役に立てば」と結ぶ。

お悔やみの言葉

「心の眼で描く」尾道市長 平谷祐宏

尾道市名誉市民平山郁夫さんが亡くなられました。先生は、ふるさとである尾道市瀬戸田町を「心象の原風景」として描き続けてこられました。

先日、子どもたちを対象とした平山郁夫美術館賞を選定していただいたばかりで、ただただ驚いています。子どもたちに「心の眼」で描くことを教えられていた先生のお姿が眼に浮かびます。

これからも、さらにご指導いただきたく思っておりましたが残念でなりません。心からご冥福をお祈りいたします。

残念の一言 元瀬戸田町長 和氣成祥さん

残念の一言です。平山先生は、郷里への愛情が深い方で、「自分の名前が新しい町づくりに役にたつならどんどん使ってください」と、おっしゃっていただきました。瀬戸田町に大いに貢献されお世話になり感謝に堪えません。

因島ユネスコ協会会長 麓忠義さん

淋しいかぎりです。これで中学校以来の親友3人組で生きているのは私だけになりました。

修道中学校時代、寄宿舎でともに暮らしました。戦時中で腹をすかし、台所に忍び込み残飯をあさった思い出があります。また平山さんが、勉強しないで絵ばかり描いていると、上級生から怒られていたことも覚えています。

原爆の時は、平山さんは市内の校舎で被爆した。私は宮島にある軍施設に動員されていて、学校に帰ってきて被爆しました。自分は原爆手帳をもらいましたが彼は終生、もらっていないと聞いています。

昭和34年、作品の「仏教伝来」入選のニュースを聞いて、画家でがんばっているんだな―と分かり、交際が再開しました。15年位前から、年に一回の東京でのクラス会や中国への旅行に参加したり、四国に一緒に行ったりと親交を深めてきました。

東京芸大学長の退任時、「これからは、絵を描くのはほどほどに、お休みください」と言ったところ、「私に絵を描くのをやめてとは何事か」と、ひどく怒られたことを思い出します。

せとうちタイムズ主幹 村上幹郎

同年代で昔日のことが昨日のように語りあえる友人がまた一人消えた。平山さんは昭和5年(1930)生まれの午(うま)年である。小学校は戦時中で国民学校と呼ばれた時代。島には中学校がなかったので試験を受けて本土の学校へ進学した。13歳で寄宿舎生活。上級生からいじめにあったが低学年全員のことだから耐えてあたりまえだった。

やがて軍需工場へ勤労動員としてかり出され、広島市の爆心地から約3キロ離れたところで被爆。命拾いはしたものの原爆症との闘いが始まった。修道中学から忠海中へ転校。当時5年の卒業を繰り上げ4年修了で東京美術学校(現東京芸術大学)日本画科の予科に入学、絵の道を歩み始めることになる。

この時、下宿していた禅寺「勝運寺」を引き払った平山さんの後継に家庭教師兼下宿人となったのが後の脚本家高橋玄洋さんで同学年だった。故郷をこよなく愛した平山さんの句碑「潮騒の瀬戸に育ち我が道を行く」が建立されたのは昭和57年夏でした。合掌。

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