行政のお荷物になったテーマパーク 因島フラワーセンター 県から市へ そして民間の指定管理者募る

尾道圏への編入合併の道を選んだ因島。それまでにどうしても片付けておかねばならない重要課題がいくつかあった。その中の一つに広島県立フラワーセンターの管理運営問題があげられる。1980年代の造船不況下に県が「しまなみ海道園芸ベルト構想」を打ち上げた。夢の架け橋完工の波に乗って観光ブームを謳歌したが、その役目も終わり行政が先送りしてきた難題への取組みが注目される。

海島博でオープン

広島県立因島フラワーセンターの開園は1990年。当時の因島市は構造的な造船不況の波をもろにかぶり、あえいでいた。離職した若者たちは単身または家族ぐるみで島を離れた。広島県は、因島重井町にあった県立農業試験場1万8千平方メートルをリニューアル。観光振興と離職者対策としての花き生産振興、農家育成による地域の活性化を狙った。

工事は1990年の海島博に照準を合わせ急ピッチで進んだ。鉄骨平屋建て延床面積5千平方メートルの大温室には目を見張った。温室内は世界の珍しい植物、熱帯スイレン、オオオニハス、カカオ、月下美人など200種、約5千本の植物が運び込まれた。

5千平方メートルの芝生広場には海島博東部メイン会場としてのステージが仮設され、モアイ像が立ち、南太平洋のフィージーからダンサーがやってきた。観光客もさばき切れないほど繰り込んできた。

県が地元移管を検討

開園から10年余り過ぎた2004年、広島県立フラワーセンターの地元移管を県が提案、移管に伴う年間6~7千万円に上る赤字負担をめぐり地元側は対応に苦慮した。

広島県が出資する特殊法人見直しによる行財政改革の一環でフラワーセンターを所管する財団法人県農業開発公社にかかわることだった。広島県は財政健全化の狙いに加え、開園から10年余りを過ぎ、因島の観光施設というイメージが定着してきた。それに加え、造船不況対策という所期の目的は果たせた―と移管の理由を説明する。

同センターの管理運営費は年間約1億1千万円。入場料収入は約4千万円で赤字分の3分の2を県、3分の1を因島市が負担してきた。

入園者数は「しまなみ海道」が開通した1999年度は、30万人を超えたもののその後は下降線をたどっている。こうした背景のなか、因島への移管を前提としつつ、運営だけ委託、あるいは現状のままとするかなど話し合い、2003年4月移管を目標に結論を出すことになっていた。

尾道市に無償譲渡

広島県立因島フラワーセンターの移管協議の結論を先送りしているうちに因島市は昨年秋に尾道圏への編入合併を決め、同センター問題を尾道市が引き継いだ。そして今年1月10日合併した。尾道市は10年間は花公園として管理していくことを条件に、土地や大温室など同センターを県から無償譲渡の道を選んだ。

旧因島市は合併前に検討委員会を設置、大温室、レストハウス、特産品直売所などの整備を尾道市に要望。市は合併後の当初予算案に因島フラワーセンター整備費1億5千万円を計上、議会で可決。9月1日から尾道市因島フラワーセンターは来春4月リニューアルオープンを目指す。この間改修工事期間中は閉園しないで入場無料で開園することにした。

主な改修工事は大温室に隣接していた展望台下の管理棟事務室=写真)をゲート(入場券売場)横の売店に移し、管理棟跡を休憩室に。フラワーショップ、レストランはなくする。

亀田良一尾道市長は、市議会の一般質問に答えて向島洋らんセンター、シトラスパーク瀬戸田、因島フラワーセンターの3施設について「負担が重く、新しい発想が必要」と、口が重い。9月定例市議会に因島フラワーセンター移管に伴う条例案を提出。入園料は一般500円。中学生以下65歳以上無料。施設利用料は芝生広場半日(4時間まで)5250円▽1日(午前9時~午後5時まで)1万500円▽夜間(午後6時から同9時まで)1万500円など決めた。

園芸花海道総崩れ

尾道市は広島県から因島フラワーセンターを移管されたことにより民間のノウハウを導入することを決め「広報おのみち」とホームページを通じ指定管理者の募集を呼びかけた。公募説明会は10月31日因島総合支所第1会議室で行われるが、30日までに窓口(尾道市因島土生町7番地4、尾道市因島総合事務所産業振興課、電話0845-26-6211)に参加連絡が必要。選考方法は提出書類の審査及び面接により選考、最優秀提案者を決定する。

いまのところフラワーセンターの指定管理者の応募はないが、13日因島観光協会(村上祐司会長)のメンバーが現地を視察。隣接するしだれ桜の名所百華園や視界360度の白滝山を結ぶ観光ルート開発、フラワーセンターでの夜のライブなどイベントの企画について話し合ったが結論は出なかった。同会は尾道市因島土生町の中央、長崎駐車場の指定管理者になっているが、花きの植栽、公園施設の運営についてはずぶの素人。しまなみ海道沿線のテーマパーク総崩れの現状から慎重にならざるを得ないのも無理からぬこと。県は移管か、閉園か、二者択一を提示してきたが、いまになって尻込みをしたのではふがいない。

国内初のかんきつのテーマパークの触れ込みで瀬戸田町にオープン。5年後に経営が急激に悪化した「シトラスパーク瀬戸田」の第3セクターの運営会社はさまざまな手だてを講じたが赤字拡大は止まらなかった。3セクの同種施設の多くは、自治体から委託料が入る。収入のほとんどを入園料に頼る今のやり方に無理があるのではなかろうか。

(村上幹郎)

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One thought on “行政のお荷物になったテーマパーク 因島フラワーセンター 県から市へ そして民間の指定管理者募る

  1. 無料開放中の因島フラワーセンターに行ってみた。

    9月から因島フラワーセンターが広島県から尾道市に移管され、リニューアルオープンを目指して、3月末まで無料開放されています。ゴールデンウィーク以来、ひさびさ…

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