立ち競い妥協許さぬ紫の菖蒲にも雨おだやかに降る

宗近陽三郎
 この菖蒲の花を何処で見ているのだろうか、おそらく近くの観光苑にやっている菖蒲の花だろう。何列にもその花色を競うかのように、とくに、この深みをたたえたような紫色の花菖蒲に心を魅きつけられたのである。色あいには、人ぞれぞれに好き嫌いがある。水田にいっぱいに植えられた、淡いうす紅、黄の萌え色、絞りのあるピンク。いずれの花にも銘がつけられてある。古典的な優雅な名から、人名、地名、カタカナもあれば、今どきの女の子とそっくりの銘をもった花もある。


 抄出の歌の「妥協許さぬ」は、紫いろの菖蒲の花のもつ自己主張である。人間であれば個性と言えよう。また、作者の心根でもある。花を見ていると心が洗われるというが、しかも雨が音もなく降っている。風もなく垂直に振る雨の雫をときおりこぼしながら、ひらりと花片が揺れている。
 江戸中期の画家の尾形光琳の屏風絵がテレビ画面に写し出されていたが、たくさんの菖蒲が整然と並んでおり、何ものにも妥協はしないという立ち姿をした菖蒲の絵であった。
 近ごろは、菖蒲苑の花も品種改良がつぎつぎとなされ、休耕田や放置田を利用した観光目的の菖蒲苑があちこちに出来ている。備後地方にも、沼隈町、上下町などにやっているが、これも一年の何日間かの見せ場であって、後は、植え替え、除草、施肥などあって地域の人達の町おこし的なボランティアが必要である。
 菖蒲やアヤメは、日本古来からの花であって、昔から何処の庭先にも植えられており、とくに五月の男の子の節句には、軒先に菖蒲の葉を差して、邪気を払うという風習があった。また、あの独特な香りのする菖蒲湯に浸ったときの感触は、昭和への懐かしさを呼び寄せてくれる。
(文・池本友幸)

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