春の花が咲き始めました(その2)

春の陽気とウグイスの鳴き声に誘われて野山に出かけると、いろいろな春の花が咲き始めています。ヤマザクラ、ナガバモミジイチゴ、ジュウニヒトエ、コスミレ、ヒトリシズカなどがあちこちで見られます。その中で、今回も木と草の花を一つずつ紹介しましょう。
<コバノミツバツツジ(小葉の三葉躑躅)>
日当たりの良い、アカマツの生えている場所に多い落葉低木の陽樹で、因島の山のあちこちで見ることが出来ます。
直径3~4cmの淡紅紫色の花がひときわ目立ち、満開になると山を彩ります。枝先に小さな3枚の葉がセットになってつく事から名付けられました。
4月いっぱい咲き続け、朱色の花のヤマツツジにバトンタッチします。2つの違いは雄しべの数が決め手で、10本がコバノミツバツツジで、5本がヤマツツジです。

コバノミツバツツジ(小葉の三葉躑躅)


<シュンラン(春蘭)>
日本の野生ランの中では普通に見られるものの一つで、因島の山でもよく見かけます。
幅約1cm長さ30cmほどの長くてつやのある葉の束の中心に、白っぽい肉質の茎を伸ばし、その先端に淡黄緑色の花が普通1個つきます。白色の唇弁に濃赤紫の斑点があることから、別名ホクロとも呼ばれています。
昔は花を塩漬けにして蘭茶として飲んでいました。少なくなってきている野生ランの一つとして、大切に見守っていきたいものの一つです。

シュンラン(春蘭)

筆者紹介

駄賀恒男
駄賀恒男森林インストラクター
因島の自然を紹介していきます。紹介するのは、森林インストラクターで尾道市因島重井町在住の駄賀恒男(だがつねお)です。

定年退職して因島に移住し、2001年3月から月1回「いんのしま・まるごと自然観察会」を開催しています。その間因島に住むいろいろな動物・植物・キノコを見てきましたが、その中から季節ごとの、とっておきの生き物情報をお届けします。

春の花が咲き始めました(その2) ”へ2件のコメント

  1. ぽちょ より:

    初めまして。しまなみぽちょ歩絵むを描いています。
    今日、お散歩で因島公園の展望台まで行ってきました。
    山つつじと桜が凄くきれいで嬉しかったです。
    春蘭は見なかったです。でもイチゴの花みたいな
    どくだみの花みたいな真っ白な花がいっぱい咲いていて
    なにかなぁ?って気になりました。
    機会があれば自然観察会参加してみたいと思いました。

  2. 駄賀恒男 より:

    お返事が遅くなってすみません。
     イチゴの花みたいな真っ白な花は、おそらくその通りのイチゴの花です。イチゴも色々ありますが、4月から5月にかけて咲くのは木イチゴの仲間で、「クサイチゴ」です。ややこしい話ですが、この植物は草ではなくて木なのですが、背丈が異常に低くて草のようなのでこの名前が付いています。イチゴの中では一番早く咲いて1ヶ月後には実を付けるので「ワセイチゴ」とも言います。因島の野山の至る所に咲いていて場所によっては白い絨毯を敷いたように見えます。美味しいイチゴの一つですから、是非ご賞味下さい。

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