リズム

森 絵都(講談社)

お久しぶりです。 ご無沙汰してました。「ぜつぼうの濁点」から1年半余り。家族・仕事・友人…どれをとってもいろんな事がありまして、怒濤の中をかいくぐってきたような日々でした。人生には いろんな時期がありますよね。それでも、何が起ころうと どんなに忙しくなろうと、やめないで続けてきたのが、読み聞かせでした。逆に「これがあるから 私は 乗り越えて行けるんだ、どんな時も!!」と、確信致しました。


現在は7月、真夏日。痛いような暑さです。夏は暑いのがあたりまえなんだけど、こんなにも痛いものだったろうか?地球環境の変化か? いや、年齢のせいか? だって、35歳で生んだ一人娘が、6月20日に15歳になったんですもの。さてこの現実・・・「もう50歳」ととるか、「まだ50歳」ととるかで、違ってきますかねー?どっちにしろ、絵本・児童文学・ヤングアダルト大好きな変なおばさんです!?
くだんのように、私は中学3年生の保護者でもあります。娘が通うのは、教室の窓からきれいに海が見渡せる生口(いくち)中学校。全校生徒49名。気持ちのいいあいさつのできる素直な生徒達。
この中学校では、年に5回、定期テストの後の国語の時間に 各学年に1時間ずつ読み語りや本の紹介をしています。もう5年めになる「ブックトーク」の時間。ポレポレとメンバーは重なるのですが、「読書ボランティア・スピカ」として入っています。
図書館の団体貸出で30冊程度の本を借り受けて、学級文庫として置き、毎月入替えもしています。朝の10分間読書もすっかり定着しており、生口中には本好きな生徒が多いですよ。毎週水曜日の朝読タイムには 読み聞かせ!!…小学校ではどこも読み聞かせ活動が盛んになってきていますが、中学校でここまでやっているのは珍しいかもしれません。
そんな中で、特に 私が 中学生と一緒に楽しんでいる本が、YA(ヤングアダルト)文学と呼ばれる、大人でも子どもでもない多感な年頃に向けて書かれたものなんですが、その中から一つ、森絵都さんの「リズム」という作品を紹介させて下さい。


主人公は 中学1年生の女の子、さゆき。彼女は、親戚でもある真ちゃんという男の子が小さな時から大好きでした。ミュージシャンにあこがれる真ちゃんは、高校受験をすっぽかして、髪を金髪に染めて、バイトしながら、本気でバンドをやりたいって頑張っています。世間が何と言おうと、さゆきは真ちゃんのことをいつも心で応援しているのです。
そんな真ちゃんが、新宿へ引っ越していく日、自分が大切にしていたドラムのスティックを さゆきにくれました。
「これからさゆきがさ、まわりの雑音が気になって・・・親とか、教師とか、友達とかの声が気になってさ、自分の思うように動いたり笑ったりできなくなったら、そのときはこのスティックでリズムをとってみな。さゆきにはさゆきだけのリズムがあるんだから。それを大切にしてれば、まわりがどんなに変わっても、さゆきはさゆきのままでいられるかもしれない。」
と言って…。そして、この続きが 「ゴールドフィッシュ」という続編で描かれています。15歳になったさゆきと その後の真ちゃん。親子で読んで、真ちゃんの生き方についてなど 語り合ってみるのはいかがでしょうか?私は、「ゴールドフィッシュ」の最後の 真ちゃんからさゆきへ宛てた手紙にとても心打たれました。
うちの娘は、中学校の選択音楽でドラムを習ってハマッタらしく、「高校行ったらバンド組みたい!」なんて言ってます。それでピッタリかと思って、今年の15歳の誕生日には、ドラムスティックと 「リズム」の本をプレゼントしました。

まわりのことが気になって
自分がメチャクチャになりそうなとき
心の中でリズムをとるんだ。
まわりの音なんて関係ない自分だけのリズムを…

リズム
リズム

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森 絵都
講談社
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おすすめ度の平均: 4.5

2 おっさんにはつらいか
5 涙が出る。
5 心のリズム
5 ティーンの私達
4 とにかく読みやすい

筆者紹介

橋本和子
橋本和子
こんにちは。はじめまして。橋本和子です。実にどこにでもある名前ですよね!? でも、いまの私には、とっておきの大切な名前。だって、『子』どもたちに『本』を渡す『橋』のような役割、その中には『和』がある-なんてすてきな語呂あわせでしょ!?

橋本和子さん似顔絵 私はしなまみ海道の生口島で『おはなしひろばポレポレ』というグループで読み聞かせをしています。毎月、保育園、幼稚園、図書館などで「おはなし会」をもち、絵本の読み聞かせ、紙芝居、手あそび、歌、おりがみなど、いろいろ取り入れて楽しくやっています。

小学校では“ゲストティーチャー”として、読み聞かせ&ブックトーク(本の紹介)の授業も行っています。中学生のためのグループ「読書ボランティア・スピカ」にも所属し、中学校の朝読やブックトーク授業にも関わっています。

日ごろ、島の子どもたちにいろいろな絵本や読みものを渡している私ですが、今回からこういう場を得て、大人のみなさんにも本を紹介させていただけることになり、嬉しくてドキドキしております。子どもから大人までみんなで楽しめる絵本や、大人が読んでも感動しちゃう児童文学、親子で語り合える本をたくさん取り上げていきます。

稚拙な文章ではありますが、読み聞かせのエピソードも交え、少しずつ書いていこうと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

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