野菊の仲間2種と竹藪に出る珍しいキノコ

秋も深まり、紅(黄)葉の見頃を迎えています。今回は、今見ることの出来る野菊の仲間2種と竹藪に出る珍しいキノコを紹介します。


ヤクシソウ
ヤクシソウ yakushiso2.jpg
因島の野山で普通に見られるキクの仲間で、11月末頃までたくさんの黄色い花を咲かせた姿を見ることが出来ます。高さは30cmから1m程で、一つの花は10数枚の舌状花から出来ています。名前の由来は、薬師堂のそばで最初に発見されたとか、薬用にされたとか言われています。漢字で「薬師草」と書きます。
シロヨメナ
シロヨメナ シロヨメナ
ヨメナに似た白い花をつけ、ヤクシソウと同じ頃に咲きます。普通のキクと同じように、花の中心には筒状花(淡黄色)、周辺には舌状花(白色)をつけています。鮮やかな黄色の花が目立つヤクシソウに比べ、ひっそりと素朴な感じの花です。
キヌガサタケ
キヌガサタケ キヌガサタケ
11月7日の10時頃大浜崎公園の竹藪で見つけました。因島では初めての出会いです。白いレ-スの菌網(マント)を広げた姿が優美なため「きのこの女王」と呼ばれています。
幼菌は径3-4cmの白い卵形で、通常早朝に皮がはじけ中から白い柄が伸び、マントが開いて写真のような姿になります。(この写真ではマントはまだ伸びきってはいません。卵から完全に成長しきるまで約4時間かかります)。
柄の先に黒い帽子をかぶっていますが、ここに胞子(植物の種に相当)がついていてこれを運んでもらう虫(ハエ)を呼ぶために、悪臭を放っています。
この胞子の部分を洗い流して、中華風のス-プに入れると、こっくりしたうま味が出て、しゃりしゃりした独特の歯触りが楽しめるそうです。
このきのこは、梅雨時と秋の年2回竹藪に発生します。皆さんも近くの竹藪を覗いてみませんか。

筆者紹介

駄賀恒男
駄賀恒男森林インストラクター
因島の自然を紹介していきます。紹介するのは、森林インストラクターで尾道市因島重井町在住の駄賀恒男(だがつねお)です。

定年退職して因島に移住し、2001年3月から月1回「いんのしま・まるごと自然観察会」を開催しています。その間因島に住むいろいろな動物・植物・キノコを見てきましたが、その中から季節ごとの、とっておきの生き物情報をお届けします。

野菊の仲間2種と竹藪に出る珍しいキノコ”へ2件のコメント

  1. HY より:

    前回は参加できなくてすみませんでした。
    初めて見せていただいたきのこですが、因島にあるんですね
    それに食べられるとは、、、ちょと変っているので ほんとにきのこのことを知っている人でないと手が出せませんね。本物を是非見たいものです。

  2. 駄賀恒男 より:

    きのこのシ-ズンが終わり近くになりました。が、今年は未だ晩秋に出る食用きのこの「ムラサキシメジ」にお目にかかっていません。例年だと11月中旬に出るのですが、昨年は12月上旬でした。今後の雨後に期待が出来そうです。「キヌガサタケ」は今年は無理ですが、来年の梅雨時雨上がりの日に近くの竹藪を覗くと、因島でもきっと見ることが出来ると思います。

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