ハンマーのカタチをしたサメ – アカシュモクザメ

 アカシュモクザメ

瀬戸内海にもいるよ・・・

全世界の暖海に広く分布し、国内では関東地方以南でみられます。写真のアカシュモクザメは、瀬戸内海・因島近海で捕獲されたものです。体長は4mに達します。餌は魚やエビなどの甲殻類、イカやタコなどです。このサメは、かまぼこなどの練製品やフカヒレの原料となります。

名前の由来・・・

左右に大きく張り出した独特の形の頭部が大きな特徴で、英名は「ハンマーヘッド」といいます。和名の“シュモク”は、お寺の鐘を叩く撞木(しゅもく)にちなみます。

ダイバーに人気!! でも・・・

比較的海岸に近い場所を好み、普段は単独でみられますが、場所によってはかなり大きな群れをつくることがあり、そういった場所はダイバーに人気があります。しかし、獰猛なサメで、ヒトに危害を加えることもあります。海水浴中に見掛けたら、直ちに岸へ避難しましょう。

子どもを産むよ・・・

アカシュモクザメは卵ではなく子どもを産みます。40-50cmほどの子どもを10-30尾産みます。

アカシュモクザメ

筆者紹介

阪本憲司
阪本憲司福山大学生命工学部海洋生物科学科 准教授・博士(農学博士)
尾道の対岸に浮かぶ向島むかいしまに移り棲み、かれこれ20年近くになります。向島は、”しまなみ海道”をつなぐ島のうち、尾道側から一番目の島になります。向島の最高峰『高見山たかみやま』の山頂展望台から眺める風景は、季節や時間を問わず、いつでも素晴らしく、風光明媚な瀬戸内の自然を存分に体感できます。

私は京都市に生まれました。その後、長崎(佐世保)、三重(伊勢)、徳島(小松島)、岩手(盛岡)、宮城(仙台)、広島(尾道)と日本各地を転々としてきました。これらの地の風土に暮らし、さまざまな自然の姿をみてきたことで、ほかにはない”しまなみ”の素晴らしさを実感しています。

『しまなみ海中散歩』と題したこのコーナーでは、瀬戸内海のことや、ここに棲息している魚介類のことなどを皆様に紹介してゆきます。どうぞよろしくお願い致します。

ハンマーのカタチをしたサメ – アカシュモクザメ”へ4件のコメント

  1. こま より:

    はじめまして!
    アカシュモクザメ、初めて知りました
    ハンマー部分に目があるんですね 不思議!
    この子、視界はどの程度の広さなんでしょうか?
    前もちゃんと見えるのでしょうか??

  2. 阪本憲司 より:

    こまさん・・・
    はじめまして。
    お返事、ありがとうございます♪
    シュモクザメの独特な頭の形には、いくつかの有利な機能を持つとされる説があります。
    一つ目は・・・広い視界
    両目が大きく横に張り出しているために、他の種類のサメよりも視界が広くなるため、獲物を探すのに有利であるという説です。
    ただ、あれだけ目が離れていたら、前よりもむしろ、周りの視界を捉えることに優れていると言えますねっ。
    二つ目は・・・ロレンチーニ瓶
    サメはロレンチーニ瓶(電気を知覚する器官)を持っています。この特殊な器官は、動物が動いたときに出す弱い電力を感知する機能があります。
    砂の下に隠れている獲物を捕食することに向いていると考えられていて、獲物が出すわずかな電気を捕らえます。
    他の種類のサメよりも、効果的にこの器官を使って、獲物を探すことができます。
    また、両目の間にある鼻孔も大きく横に広がっているので、わずかな獲物の匂いをも嗅ぎわけることができると考えられます。
    三つ目は・・・浮力
    シュモクザメの平べったい頭は、泳ぐときに浮力を得えることができます。また、一種の舵の役割も果たしているといわれます。
    簡単に説明しましたが、この変な格好の頭も、優れた機能があるようです。

  3. こま より:

    お返事ありがとうございます
    なるほど!
    頭の形だけを見ると水の抵抗がありそうで泳ぎにくそう…
    ともおもったのですが
    面白い形に色々と便利な機能が詰まっているんですね
    勉強になりました
    ありがとうございます^^

  4. れりら より:

    すごい

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