ササユリとツツジの仲間

四季折々、野山を歩いていると、いつも新たな発見があります。因島で初めてササユリの花に出会いました。今回はこの大型の花と、ツツジの仲間の小さな花を紹介しましょう。


ササユリ
ササユリ
山の草地に育つ日本特産のユリの仲間で、葉が笹に似ていることからこの名がついています。種子で繁殖し、花が開くまで数年かかります。以前は森林がよく管理され、定期的な伐採などでササユリが育つ環境が維持されてきましたが、今では非常に住み難くなっているようです。又、このユリは同じ場所ではやがて病気になって消滅し、数年間で花を咲かせては移動するという性質を持っています。ササユリの咲く自然が因島でも、いつまでも続くことを祈りたい気持です。
ネジキ(ツツジの仲間)
ネジキ
野山でよく見かける低木で、5月から7月にかけて水平の枝に、たくさんの白い小さな花を下向きに並んでつけます。花の後のdryな果実は次第に向きを上に替えて、やがてはじけて種を遠くに飛ばします。幹をよく見ると多数の縦向きのすじがあり、ねじれているように見えます。これが名前の由来です。
ナツハゼ(ツツジの仲間)
ナツハゼ
シャシャンボやスノキと同様にブル-ベリ-の仲間で、実は食べられます。花は地味で、注意して見ないと見過ごしてしまいます。果実は9月頃に黒く熟し、よく目立ちます。甘酸っぱい味で、一度ご賞味下さい。

筆者紹介

駄賀恒男
駄賀恒男森林インストラクター
因島の自然を紹介していきます。紹介するのは、森林インストラクターで尾道市因島重井町在住の駄賀恒男(だがつねお)です。

定年退職して因島に移住し、2001年3月から月1回「いんのしま・まるごと自然観察会」を開催しています。その間因島に住むいろいろな動物・植物・キノコを見てきましたが、その中から季節ごとの、とっておきの生き物情報をお届けします。

ササユリとツツジの仲間”へ2件のコメント

  1. rika より:

    ナツハゼはお花でよく使いますが、ブルベリーの仲間とは知りませんでした。紅葉もきれいですよね。

  2. 駄賀恒男 より:

     いささか専門的になって恐縮ですが、ツツジ科スノキ属で果実が青~藍黒色に熟す仲間を一般にブル-ベリ-と呼ぶようです。通常の「ブル-ベリ-」は米東部に分布するハイブッシュ・ブル-ベリ-から育成された品種で、日本では長野県などで栽培されており、4月に白いつぼ型の花を咲かせ、夏に1cmφの白い粉をかぶった藍黒色の果実が出来ます。
     コメントのように、ナツハゼは秋に真っ赤に紅葉しますが、因島では「ハゼノキ」の紅葉に隠されてしまいます。秋の紅葉も、いろいろな種類の植物が混ざっており、それらを一つ一つ見分けていくのも、自然観察の面白さの一つです。

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