マムシグサの仲間二種

野山は新緑で輝き、清々しい初夏の陽気が続いています。今回はちょっと変わった花を二種類紹介しましょう。

マムシグサ

マムシグサ4-5月頃、山道脇の少し湿った林の中で、葉がクジャクの羽根を広げたような植物に出会う事があります。

中心の茎の両側から出た枝に細長い葉をいくつかつけ、真ん中に長い笠をかぶった花のようなものが見えます。

雄しべや雌しべは傘の中の下方にあって、のぞき込まないと見えません。

6月を過ぎると傘がとれて無くなり、緑色のトウモロコシのような実がなり、秋には真っ赤に熟します。

雄株と雌株があって果実は雌株にしかなりませんが、土壌の栄養状態が悪くなると雌株でも、雄株に性転換するという面白い性質を持っています。

「マムシグサ」の名前は、茎のまだら模様から名付けられました。

ウラシマソウ

ウラシマソウ上のマムシグサと同じような形をしていますが、葉は茎の片側しかなく、花は低く根元の方にあります。

花の中から約60cmにもなる黒っぽい長い糸のようなものが出ていて、これが浦島太郎の釣り竿の糸を連想させるので、この名がつきました。

山の木陰に群がって生えますので、一つ見つけるとその周辺でたくさん見ることが出来ます。

これら2種類は、サトイモやコンニャク、南の島のクワズイモと同じ仲間で、山の北斜面のあちこちで見ることが出来ます。

筆者紹介

駄賀恒男
駄賀恒男森林インストラクター
因島の自然を紹介していきます。紹介するのは、森林インストラクターで尾道市因島重井町在住の駄賀恒男(だがつねお)です。

定年退職して因島に移住し、2001年3月から月1回「いんのしま・まるごと自然観察会」を開催しています。その間因島に住むいろいろな動物・植物・キノコを見てきましたが、その中から季節ごとの、とっておきの生き物情報をお届けします。

マムシグサの仲間二種”へ2件のコメント

  1. H・Y より:

    こんにちは!!いつも楽しく参加させて頂いてありがとうございます。マムシ草は帝釈峡へ行った時たくさんみさせてもらいましたが、ウラシマ草は2、3年前椋の浦峠から中庄に抜けている林道で教えていただいた覚えがあるのですが違っていますか? マムシ草怖い名前なのに薬になり ウラシマ草は なにかほのぼのとしたなまえなのに毒があると云う おもしろいですね。因島の山野にも変わった草花がたくさんあり目がはなせないですね。

  2. 駄賀恒男 より:

    H・Y様
     いつもコメント有難うございます。若干気になることが書いてありましたので、再コメントさせて頂きます。この種類、つまりサトイモ科テンナンショウ属の仲間は、地下の球茎が一般的には毒だと言われています。現に、この仲間の「ムサシアブミ」の果実でも、或る小学生が食べて中毒したという事実があります。実は口にすると甘くて食欲をそそられるようですが、食べることは禁物のようです。一方、この種の仲間の薬効については、その事を記した情報が見あたりません。毒と薬は紙一重と言いますので、ひょっとすると薬効もあるのかも知れませんが、余り積極的には使われていないようです。

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