東京支部支部長 中空 善彦(S29年卒)
 人生の愉しさは相知る心に在り、新たに相知る悦びも又よし、と詠んだ中国の文人の詩の一節を借用し同窓生に呼びかけて開いた東京支部総会(平成16年10月23日、日本プレスセンタービルホール)はその詩通りの舞台をみごとに創り出した。出席者197名。懐かしい顔が集い、因島弁に和み、心触れ合う刻を皆が共有し時の経つのを忘れた。まさに「相知は力」を実感し、あしたへ向けて一歩を踏み出す楽しい総会となった。
20050808231535.jpg
東京支部総会「鏡割り」

 好天に恵まれ参加者の出足快調。遠来の来賓・竹中啓修本部会長、河井實事務局長、村上雄蔵広島支部長、村上福造関西支部長代理、松林博文校長、村上和弘市長ほか一般参加者も続き会場入り。会場は立食パーティー形式の設営ながら、八つのテーブルや周縁部に配した椅子の周りには人の輪が見るみる重なり合って定刻開会。会員相互の交流を重視するため挨拶スピーチは短めにお願いし実行して頂いた。議事も心得た巻幡事務局長の宰配でよどみなく進行、岡野徹幹事(昭33年卒)を副支部長に加える人事を決めて懇親会へ-。
 来賓の皆さんと景気よく鏡開きをして乾杯、“この日のために”杯を高々と挙げた。
 次いておたのしみの福引きを村上洋造副支部長の担当で行う。東京では初めての試み。幹事会で知恵を絞り、本部の協力を仰ぎ銘酒や銘菓、蜂蜜など因島の名産を揃えた。それに大藪猛副支部長提供の調味料も加え、なんと3人に一人が幸運をつかむことになり、会場はその都度、歓声と拍手に湧いた。やりくりして資金を捻出した効果は得られた。
 むろん宿題も残った。関東在住者1800名からすると、申込数の210名余にしても、なお道遠しだ。特に旧北高の参加者が極端に少なく、如何に呼びかけるか。今回若干増えた若い人たちをどう確保するか。手がないわけではない。なにしろ竹中会長を擁する年次は当日夕、東京で同期会を開催し、一学年で30名が出席してくれたのだから。そうした学年幹事や企画力をさらに増やし強化していく。そして日常活動、とりわけ因島や同窓生の生きた情報を皆さんにキメ細かくお届けする。つまりは常時、相知へのアプローチが大切であり、新しい風を呼び込んでいくべし-そんな教訓を総会に学んだ。
追記
 前支部長・村上文祥氏の七回忌法要が4月17日、東京世田谷の豪徳寺で営まれた。儀式のあと、夫人の郁子さんが「同窓生皆さんのガンバリで因島の元気、因島発の楽しい話を聞かせてやって下さい。主人も喜びますから」と話し、励まして頂いた。
 「次の総会は、僕達も協力します」と約束してくれた台慶達也君(昭58年卒)が3月始め、任地のジャカルタへ飛び立って行った。スマトラ沖地震の第一報が紙面を飾った。
-私たちは新風を吹かさねばならない。(了)