元教員 堤和子(尾道商業)

堤和子因島北高校は、私にとって、教員として最初の学枚です。教員としてのイロハを学び、初めて担任を経験し、教師として育ててもらった11年間だったと思っています。学枚の前の海に落ちる夕陽が美しく、生徒達は砂浜をジョギングしていたものです。又生徒と一緒に、グランド一杯に広がり、フォークダンスをした楽しい思い出もあります。

当時、因島北高枚と因島高校には歴然とした学校格差がありました。三庄から通ってくる生徒が屈辱的な気持ちを抱いていたり、保護者から「中学時代までの友達関係も切れてしまうような学校格差はなくしてほしい」と訴えられたこともありました。因島北枚を取り巻く状況の中で、生徒の痛みを受けとめ、教師集団としてどうするべきか、話し合い取り組みました。島の学校として、設備は不十分でしたがそれ以上に、素朴で熱のある生徒に囲まれて、力一杯頑張れた時代でした。

その後、北高の前の海を埋め立て、産業団地を造成するという問題が起こり、PTA総会を開いて学校として「絶対反対」の立場を確認しました。生徒とともに、学校環境を守る闘いをはじめました。結果的に見切り発車されましたが、静かな教育環境は残せたと思っています。

その後40代になって、図らずも、因島高校に8年間勤務することになりました。土生校舎での文化祭、のど自慢大会、サッカー大会など、生徒の姿とともに目に焼きついています。因島高校で、保護者となったかつての北高の教え子たちと再会し、嬉しく思いました。因島北高校の校歌、因島高校の校歌、どちらも甲乙つけがたく素晴らしい校歌でした。生徒とともに歌った日々を幸せに思います。

今年2002年、統合因島高校がスタートしました。心からお祝い申し上げます。長い歴史を経て、いっそう地域に根ざした教育力のある学校になれるものと期待しています。

因島高校同窓会報3号(2002年)より