現因島高等学校の沿革を辿ると、大正9年の土生町女子実業補習学校設置からスタートし、昭和23年における、広島県土生高等学校、及び同生口分校、因北分校の設置を経て、平成11年に広島県立因島高等学校として統合されるまで、実に多様な分離統合、校名変更を繰り返してきていることがわかります。

 そのことは、因島における後期中等教育が、90年にも渡って、それぞれの時代における社会状況やニーズに柔軟に対応してきたことを示していますが、現因島高校は、平成11年の統合によって、その全ての歴史を背負うことになりました。
 従って、現在の「因島高校」という校名は、単なる固有名詞ではなく、「因島が、90年に渡る変遷を経て、地域として誇りを持って育ててきた高等学校」という意味が込められていると、私は考えます。
 そう考えると、現因島高校の生徒、教職員は、大変多くの、かつ広範囲に渡る卒業生を有していることになり、誠に心強い限りです。
 しかし、現在因島高校を取り巻く状況を見た場合、けっして将来を楽観できる材料ばかりではありません。国全体における、経済不況や社会不安、高齢化と少子化、あるいは、国際競争に耐えうる国力の減退、等々は、因島も同様です。
 これから来る厳しい時代に対応し、因島高校が地域とともに発展を続けていくためにも、因島高校は、最も信頼できる味方である、因島高校同窓会の助言と後押しを受けながら、生徒、教職員一同が、一丸となって、時代の荒波を乗り越えていきたいと思います。
 今後とも、因島高校にご支援賜りますようお願い申し上げます。