教員 小崎和郎

小崎和郎 因島北高校に17年、因島高校に12年、新生因島高校に2年、私は教員生活の大部分を因島の高校で過ごしてきました。教員生活のスタートは、機械科が家老渡の日立造船の工場内にあったときです。新採用の教員として赴任したその年の11月に、機械科と因北分校が合併して新しい校舎が完成したため、重井の地に移りました。

 今、旧北高の地に新しい校舎が建設されています。2つに分かれた学校は35年経って再び1つの校舎に統合されようとしています。私は高校の分離と再統合のいずれのときにもこの学校の教員として立ち会うことができました。思い深いものを感じます。生徒から「うちのお父さんを覚えている?」という質問をよく受けます。親子2代にわたって教えてきた生徒が多数いることに気づきます。
 10年ちょっと前、因島高校には7クラス、因島北高校には5クラスありました。1クラス45名の時期です。今年の生徒は1校にまとまっても2、3年生7クラス、1年生6クラスです。しかも1クラス34,5名しかいません。昔の半分たらずになりました。まだまだ少なくなっていきます。学校の置かれている状況も変わってきています。高校は、生徒を選ぶ立場から生徒に選ばれる立場に逆転しました。学校の良さをどんどん世間に訴えていかないと、他の学校に生徒を奪われていく時代です。否応なく競争にさらされているのが今の学校です。
 因島高校枚、因島北高校ともに長い伝統を誇り、卒業生は地元はもとより、全国各地で活躍しています。間もなく広島県一の新校舎が完成しますが、外観だけでなく中身も充実した学校にしなければなりません。因島高校のよき伝統を守りさらに発展して行く学校にしたいと思っています。
因島高校同窓会報2号(2001年)より