202.会長挨拶(2002年)(08/01 21:25)


因島高校同窓会長 竹中啓修

 皆さん、こんにちは。日頃同窓会活動に積極的にご協力いただきまして有難度く厚くお礼申し上げます。ご承知の通り、因島高校の前身である、土生女子実業補習学校が誕生したのは、造船の好景気に沸く1920年でした。爾来、高等女学校男女共学の土生高等学校を経て、現在の因島高等学枚に至りました。一方の因島北校の前身は194人年垂井村に土生高等学校分校として設置されました。その後機械科を統合して1966年には因島北高等学校になり、今年で創立35年を迎えました。

<画像:竹中啓修>

 この間、私達の母校は地域社会と共に発展し、近隣の島々の高等教育機関の中枢として24000名にのぼる多くの優秀な卒業生を世に送り出しております。今日では我が国の政界財界官界さらには、芸術芸能分野など各方面で多くの卒業生が活躍しているのはご承知の通りです。もちろん地元の因島では卒業生があらゆる分野で活躍、地域社会を支えているといっても過言ではありません。しかし乍ら近年、島の基幹産業である造船業の停滞による人口減、少子化の中、生徒数の減少、市外通学者の増加など課題を抱えています。

 こうした中、1999年県の教育改革の一貫として、両校統合され新しい因島高校としてこの地に約60億円の巨費を投じて校舎体育館が新築されました。県教育委員会を始め多くの皆様のご尽力をいただいて、県下でも他に例を見ない立派な学校です。更に総合学科という時代を先取りしたシステムが導入され、生徒の自主性と多様な能力が生かされるコースが作られました。この立派なハードとソフトを生かすも殺すもこれを運用してゆく先生方と生徒達次第です。保護者、さらには同窓会を始め地域社会の協力支援が非常に大切となります。そこで平成11年にはPTA連合会、同窓会、高校PTA、小、中、高の教職員などで「因島高校を支援する会」を設立。島を挙げてより良い学校づくりに取り組んでいます。サテライン導入の補習授業やオーストラリア研修ホームステイ17名参加も決まっております。江戸時代の俳人、松尾芭蕉の言葉に「不易流行」と言うのがあります。不易とはいつの時代でも変らない真理を言い、流行とはその時代時代の変化に対応してゆくことだと理解しています。

 近年、教育が時代の流行に流され、不易の部分がややないがしろにされていないか心配な部分があります。多くの先輩によって培われたこのすばらしい伝統の火を大事にし、次なる100周年へと引き継いでいただくことを心から祈っています。

因島高校同窓会報3号(2002年)より

202/220

次の記事へ >
< 前の記事へ
一覧へ戻る

管理人:かわよしパソコンサービス

Powered by
MT4i v2.1β6